日本将棋連盟の会見概要(2016.12.27)

「週刊誌に記事が…出場停止はやむを得ない判断だった」

谷川浩司会長

調査委の報告書では、(1)三浦九段が不正を行っていないこと(2)連盟の出場停止処分は妥当であること-の2つの結論をいただきました。将棋連盟常務会の判断が妥当だったとはいえ、三浦九段につらい思いをさせてしまったことは、申し訳なく思っています。

反省すべきは、将棋ソフトウエアが力をつける中で、電子機器の持ち込みに関する規定を整えることが遅れたこと。今回の疑惑騒動の発端となった7月の月例報告会で出た三浦九段に関する発言の真偽の確認を怠ったことです。責任を感じています。

三浦九段の指し手とソフトのそれとの一致率に関しても、実は一致率は状況によって20%ほどのばらつきが生じるとのこと。この点に関して正確な情報を入手しておくべきでした。

一方、週刊誌に(不正疑惑の)記事が掲載されることが確定的だという、重い事実がありました。記事が原因で竜王戦が中止になることも想定され、時間的余裕も現実的選択肢もない中で、出場停止はやむを得ない判断でした。

三浦九段には1月から復帰してもらいます。対局に専念できるように、将棋連盟として全力を尽くします。

三浦九段は、出場停止処分のためにA級の5、6回戦で『不戦敗』になっていますが、特別措置として三浦九段のA級の地位を保全をします。三浦九段は来期、A級11位ということになります。

改めてファンのみなさま、主催者のみなさま、三浦九段とご家族にご迷惑をおかけしましたことを深くおわびします。

--出場停止とされた三浦九段に対する経済的な補償などは

谷川会長

竜王戦は無事に終えられましたが、三浦九段は“被害”を被った。そこでA級順位戦のA級保持という対応をとらせていただきます。

--その措置は、どのタイミングで伝えるのか

谷川会長

えー…申し訳ありません…事務局に確認していないのですが…すでに連絡をしているということで良いですね。はい。今日、連絡をさせていただきました。

2カ月半の間、三浦九段の対局の機会を奪ったことは非常に重く受け止めています。

が、まず、竜王戦の7番勝負を無事につつがなく務めていただくことを考えたということです。

--三浦九段は竜王戦のやり直しを望んでいるが

島朗常務理事

竜王戦は、素晴らしい戦いが行われて終了しました。今期の竜王戦はもう成立したということです。三浦さんには来期、今回と同じ組でご登場いただくことになると思います。

疑惑の根拠とされた30分の離席が実際にはなかったことを確認できなかったのは痛恨の極み。月例会などで三浦九段の離席を指摘した棋士の方たちの処分までは、考える余裕はありません。

私自身の責任は重大と認識しています。

青野照市専務理事

三浦九段が30分も離席していたという指摘がありましたが、その場面は実際には6分、3分、3分でした。対局相手の棋士には、錯覚があったのでしょう。

週刊誌に“疑惑の挑戦者”のような記事が出ることが確実ということが、竜王戦対局の3日前に判明しました。竜王戦が中止になるような事態は何としても避けないといけない。それで対局者の交代になったのです。

なお、連盟から三浦九段に『休場』を強要したことは間違いなく、ありません

--執行部の責任は

谷川会長

報告書で、連盟の常務会の判断は妥当とされました。外部理事らは『執行部が責任を取る必要はない』という回答でした。ただ、電子機器の取り扱い規定を厳しくすることを怠ったことなどは、常務会の責任。とはいえ、今仕事を投げ出すわけにはまいりません。執行部は今後も粛々と職を全うすべきだと考えています。

しかし、何もなしということにはなりませんので減給します。谷川、青野、島の3人は減給10分の3を3カ月間。

--三浦九段の30分の離席が事実ではなかったことはなぜ判明したのか

島常務理事

囲碁将棋の専門チャンネルの映像があったのです。12月の中旬に確認して、初めて知りました。連盟でもっている映像ではないので、確認も遅れました。

--三浦九段が将棋に専念できるよう努力すると言うが、心のケアは

谷川会長

現時点でお話できることはありません。三浦九段の名誉回復に全力で努めていくことはお約束いたします。

Copyright産経ニュース(2016年12月27日 配信記事より引用)

文章はそのまま引用させて頂きましたが
発言者は太字に、引っかかる部分は赤字とさせていただきました。

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