異例ではあるものの

2015/8/26 2015/8/27 徒然

本日より開幕致しました
注目の第５６期王位戦７番勝負/第５局は
広瀬八段の先手で戦型は「角換わり相腰掛銀」に。

一日目は当然ながら
序盤の駒組みが粛々と進んていったわけですが
最後の最後に、羽生王位が大長考。。

長考時間は実に１時間と２３分にも及び
指し掛けとなったのが封じ手予定時刻を５２分もオーバーする
午後６時５２分という異例の事態となりました。

しかし、そこにドラマ性があったかと言えば、特になく
終了時刻がさし迫る中、急所と思われる局面にも関わらず
広瀬八段がサクッと次の手（６１手目）を指したがために
羽生王位がもう一度慎重に読みを入れ直す必然に迫られたと。

今シリーズの一貫した流れを象徴するかのように
何かこうギクシャクするというか、呼吸のかみ合わない
封じ手を巡る攻防となりました。

広瀬八段は将棋に留まらず
少年時代から学業も飛びぬけて優秀だったことでも有名。
品行方正な文句のつけようのないナチュラルエリートなのですが
現代の若者らしく、感情の起伏がみていて掴みづらいのが特徴の一つ。

にも関わらず、今シリーズに関しては
羽生王位への苦手意識がはっきりと見て取れる。。

もともと今シーズンは春先から調子がふるわず
内容、成績ともに不本意な状態が続いていることもあって
純然たる挑戦者として、真っ向勝負を挑むという展開とはならず
自滅を繰り返しながら黒星を積み上げてここまで来た印象が残ります。

果たして本局では将棋界屈指と評される
自慢の終盤力を発揮する展開に持ち込むことが出来るのか。。
明日の二日目、広瀬八段は正念場を迎えます。