日本棋院は29日、囲碁の新しい国際棋戦「ワールド碁チャンピオンシップ」を来年3月、大阪市で開催すると発表した。日本で六冠を持つ井山裕太王座(27)と、中国・韓国代表のプロ各1人、人工知能(AI)を応用した囲碁ソフトの4者がリーグ戦で世界最強を争う。著しい進化を見せるAIが参加する初の国際棋戦となる。
将棋界では
羽生善治三冠と将棋ソフトの公式対局がお預けになったばかりですが
お隣りの囲碁界では来春、歴史的スーパースターである井山裕太六冠と
囲碁ソフトの公式戦があっさりと実現。。
さらには中国と韓国のプロ囲碁棋士も参戦し
何と4者によるスーパーリーグ戦が開催されることになりました。
中韓の代表は中国棋院・韓国棋院の推薦を受ける。AI代表は日本で開発された「DeepZenGo(ディープゼンゴ)」で、今月に趙治勲名誉名人(60)と対決し1勝2敗と善戦。開催までの約4カ月で世界トップと互角に勝負できるよう開発を加速する。
井山六冠が出てくるからには中国、韓国の代表も
世界的なトップ囲碁棋士の登場が予想されますが、ただ
注目の囲碁ソフトはGoogle参加のベンチャー企業が開発し
今年3月に世界ランカーの李世乭(イ・セドル)九段との五番勝負を
4勝1敗で制した最強ソフト「アルファ碁」ではなく、つい先日行なわれた
趙治勲名誉名人との三番勝負を1勝2敗で負け越したばかりの純国産ソフト
「DeepZenGo」が出場とのこと。
「DeepZenGo」に与えられたプログラム修正期間は4ヶ月。
「このタイミングで打てばまだ人類が勝ち越せる可能性が高い」との計算のもと
開催されたのではないか、との穿った見方もあるかもしれません。。
しかし、将棋界では
女流棋士(清水市代女流六段)に続き元棋士(米長邦雄永世棋聖)が敗れた翌年に
いきなり5対5の団体戦を開催し、大将にはA級棋士(三浦弘行九段)が登場。
すでにその時点であらゆる面でのイニシアティブを
川上量生氏率いるニコニコ動画サイドに握られていたにせよ
限られた資源を惜しみなく投入し、負けた時のリスクを全くかえりみない
将棋連盟の姿勢こそが、勝負師の本分であり本能に思います。
その大会、第2回電王戦を1勝3敗1分で負け越した将棋連盟は
翌年再び5対5団体戦を受けて立ち、何とその舞台に将来を嘱望される
豊島将之七段と菅井竜也七段の若手ツートップを躊躇なく投入。
結果、1勝4敗と大敗を喫しましたが、しかし
リスクを恐れず勝負を挑む姿勢だけは最後の最後まで
微塵も揺らぐことはありませんでした。
そこに戦う相手がいるならば、逃げずに勝負を挑むのみ。
勝負師の本能、むき出しの性はお隣り囲碁でも全く同じはず。
たとえ「アルファ碁」が出場したとしても、井山六冠をはじめ
囲碁界の猛者が勝負を避けるとは思えません。
だからこそ、楽しみなスーパーリーグ戦。
「DeepZenGo」の爆発的な進化の可能性も含めて
一瞬たりとも目が離せず、刮目あるのみです。