棋界で初めて国民栄誉賞の授与が決まった将棋の羽生善治竜王(47)と囲碁の本因坊文裕(もんゆう)(28)=井山裕太九段。囲碁・将棋界の「仕事始め」に当たる5日、それぞれ将棋の指し初め式、囲碁の打ち初め式に臨む中で朗報が舞い込んだ。
羽生竜王は同日夕、東京都渋谷区の将棋会館で記者会見に臨み、「棋士冥利に尽きることだし、今回の賞には激励の意味もあると思う」と笑顔
をのぞかせた。会見場には、30社約100人の報道陣が詰めかけ、複数のテレビ局が生中継するほどの注目ぶりとなった。
羽生竜王が国民栄誉賞と聞いてイメージするのは、1977年に受賞したプロ野球の王貞治氏だという。「王選手は、私が小学生の頃にホームランの世界新記録(756本)が出るかどうか騒がれていた。(王氏と同じ賞を)まさか自分自身が頂けるようになるとは夢にも思っていなかった」と喜びを表現した。
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羽生永世七冠の国民栄誉賞受賞が正式決定した本日
将棋界恒例の「指し初め式」が総本山の東京・将棋会館と
大阪・関西将棋会館にて晴れやかに行なわれました。
明日からはいよいよ公式戦も再開し
将棋界の2018年が大いなる活気の中でスタートします。
このお正月は「ひふみん」こと加藤一二三九段のお姿を
毎日テレビで拝見しましたが、あらためてその存在の偉大さに
目から鱗が落ち、強く感銘を受けました。
昨年末、忘年会や挨拶回りの中で一般の方と将棋の話をすると
「あ、今凄いですよね~」の言葉の後に、続く言葉はほとんどの場合
「ひふみんが!」でしたが正直、普段ほとんど地上波のテレビをみないので
加藤九段がどのような活躍をされているのか(何となく想像は出来ても)
今一つピンと来ませんでした。
それだけに
加藤九段が出演される番組を拝見するのを楽しみにしていましたが
現役時代と何ら変わらない、偉大な実績を周囲が認め尊敬された上で
屈託がなく、熱心に人の話に耳を傾け、誠意を持って話し、負けん気を隠さず
常に自分が神に選ばれた天才であることを自覚し、その自負を強く持つ
いつもの加藤九段の姿がそこにありました。
バラエティー番組にばかり出演されていましたが
何をやっても滑稽な見世物にはならない、品と自信といなせなセンスは
なるほど、一般世間にも受け入れられるはずだと率直に感じました。
将棋のプロ棋士とはすなわちトーナメントプロである以上
対局に勝って勝って、勝ちまくって上位に進出しなければ何者にもなれない。
お金も稼げず名声も得られない厳しい世界であり、だから魅力的で惹かれる世界。
羽生永世七冠、加藤九段と偉大な先人の後を継ぐべき神童・藤井四段は果たして
勝負の世界でどのような結果を残し、言葉を残してくれるのか。
弱いものには興味はない、それ以前に生き残れない。
過酷で儚い人間ドラマがまた、ゴールなきゴールを目指して再開します。