囲碁界にもAIが襲来

人工知能のソフトが3勝目 トッププロに勝ち越し

米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー企業「ディープマインド」(英国)の囲碁ソフト「アルファ碁」と、韓国のプロ棋士で世界トップ級の実力者、李世乭(イ・セドル)九段との五番勝負第3局が12日、ソウル市内のホテルで打たれた。アルファ碁が176手で中押し勝ちし、李九段が3連敗となって負け越しが決まった。

開始直後から激しい接近戦が繰り広げられたが、中盤戦でアルファ碁が優勢を確立。李九段は勝負手を放ったものの冷静に対処され、「投了」(途中で負けを認めること)に追い込まれた。

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ネットを中心に今週大きな話題をさらった
Google傘下の企業が開発した囲碁ソフト「アルファ碁」と
韓国が誇る世界的な囲碁棋士・李世乭九段との5番勝負は
囲碁ソフトが圧倒的な強さで開幕3連勝。。

この結果に対して
台湾出身で日本棋院に所属する、女流のトップ棋士
謝依旻女流三冠(女流本因坊・女流名人・女流棋聖)が
ご自身のfacebookにてコメントを投稿。

AlphaGo VS 李世乭九段第3局、李世乭九段が負けました。でも、心の底から李世乭九段を尊敬しています。明日の第4局も李世乭九段を応援します。AlphaGo VS 李世乭九段第3局、李世乭九段輸了。但是我打從心底敬佩李世乭九段。明日的第4場比賽,也絕對支持李世乭九段。

謝依旻さんの投稿 2016年3月12日

また、李世乭九段も対局後の会見で

「これほど厳しい圧迫感を経験したことがなく、私の能力不足だ。これは李世乭の敗北であって、人類の敗北ではない」と強調。残り2局で一矢を報いる意欲を示した。

そのエールと心意気には
囲碁は詳しくありませんが、深く感動を覚えました。

将棋ファンの中には、昨年の春まで行われていた
将棋ソフトとプロ棋士の代表が5対5の団体戦を行う
「将棋電王戦」と今回の番勝負が重なる方も多いはず。

その最初の大会の2局目で
佐藤慎一四段(当時)がプロ棋士として初めてソフトに敗れた時は
対局の聞き手をつとめた女流棋士が涙を流し、佐藤四段のブログの
コメント欄が荒れたりもしました。

しかし、率直に言って
トップ棋士が3連敗で負け越しという衝撃の展開となった
今回の結果は、その時とは全く重みが違って感じられます。

個人的には
棋力は別にして、かなり昔からソフトのあった将棋と違い
囲碁はゲーム化が難しく、なかなか強いソフトが出てこないと
最近まで思っていたので、囲碁ソフトの急激な進化にびっくり。

現在市販されている将棋ソフトと同じくらいの価格と棋力で
「アルファ碁」が発売されたら、ぜひ購入したいというのが
今回の結果を知っての第一感であります。。

ちなみに3回団体戦が行われた「将棋電王戦」は
最初の2大会は将棋ソフトが圧倒的に指し込みましたが
昨春の最後の大会ではプロ棋士側がソフトの不備を突くという
意外な形で反撃に出て、初めて勝ち越し。

フィナーレを飾った大将戦/第5局では
プロ棋士がソフトの欠陥をついたことにブチ切れた開発者が
開始からわずか21手目に怒りの投了

「プロが欠点を突くなんて。。」
と、終局後の会見でもふてくされながら不満をぶちまけるという
ある意味で最も人間らしい、感情的で後味の悪い終幕となりました。

果たして、囲碁棋士と囲碁ソフトの対決は
どのような結末と未来をみせてくれるのか。。
これからの展開が実に楽しみです。

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