人を渡る旅の途中で

森内、佐藤両九段降級圏さまよう

第75期順位戦は残留争いにも注目が集まる季節になった。最高峰の10人で争うA級は5回戦を終え、十八世名人の森内俊之九段(46)、永世棋聖の佐藤康光九段(47)がともに1勝4敗。佐藤は8位、森内が9位と低迷し、降級の危機に立たされている

折り返しとなる5回戦を終了した今期のA級順位戦。
名人挑戦権争いのトップに立つのは、開幕5連勝で突っ走る
「関西の太陽」稲葉陽八段。5回戦で稲葉八段との全勝対決に敗れた
関東の優駿・広瀬章人八段が4勝1敗で追う展開となりました。

□ 第75期A級順位戦対戦表(成績順) □

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世代交代がはっきりと進む現在の流れを象徴するかのように
「羽生世代BIG3」を形成し、A級の番人のような存在でもある
森内俊之九段と佐藤康光九段が降級圏で苦しみます。。

森内はA級在位連続22期、名人8期を含むタイトル獲得通算12期のトップ棋士だが、今期は「攻めと守りがかみ合わなかった」。「今後は調整して一つでも多く勝てるようにしたい」と巻き返しを誓うが

前期は郷田真隆王将が無念のA級陥落。
同じくA級の常連だった同世代の藤井猛九段は現在B級2組所属。
取り巻く環境やムード、そして残りの対戦カードは追い風よりも
向かい風を連想させますが、果たして両雄の運命は。。

清水市代女流六段が600勝

将棋の清水市代女流六段(47)が28日、東京・将棋会館で行われた第43期女流名人戦リーグで甲斐智美女流五段(33)に勝ち、公式戦通算600勝(252敗)を達成した。中井広恵女流六段(47)=627勝306敗=に次いで女流棋士では史上2人目。これまで49人の棋士が通算600勝を達成し将棋栄誉賞を受賞しているが、棋戦の数が少ない女流棋士の600勝は価値ある記録とされる。

両雄の他にも羽生善治三冠や渡辺明竜王、そして
5回戦を理不尽な不戦敗とされた三浦弘行九段などなど
それぞれの棋士に事情とドラマのあるA級の後半戦へと
思いを馳せていると、女流将棋界のレジェンドである
清水女流六段、区切りの勝利の一報が。。

「女羽生」の異名を取り
歴代最多の女流タイトル43期を誇る清水女流六段も
やはり台頭する若手の勢いに飲み込まれ、無冠に転落。
最近では、タイトル挑戦も容易ではなくなりましたが
それでも、これまで長く積み上げてきた実績や功績は
記録となり記憶となり、尊敬とともに歴史を刻みます。

本格的な人工知能の時代が到来するならばこそ
自らの叡智と努力でここまで将棋界を牽引してきた
トップ棋士達の評価はさらに高まるはず。

清水女流六段、そして
森内九段、佐藤九段の全盛期を体感できた喜び。
そして、もがき苦しむ今現在のリアルな戦いもまた
夢中で棋譜を追い、応援するのみです。

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