初防衛を目指す渡辺明竜王に
丸山忠久九段が挑戦する、第２９期竜王戦７番勝負。
ここまで４局を消化し、ともに譲らず２勝２敗のイーブン。
いよいよ師走に突入する明日、勝者がタイトルに王手をかける
第５局が北海道は函館市「HAKODATE 海峡の風」にて開幕。。
渡辺竜王の今期ここまでの成績は
２５戦１４勝１１敗（．５６０）。順位戦はＡ級で２勝３敗。
直近の対局は先週の金曜日（２５日）に糸谷哲郎八段と対戦し
後手番で角を換えない「相腰掛銀」の趣向を披露も敢無く完敗。。
対します、丸山九段の今期ここまでの成績は
３０戦１５勝１５敗（．５００）。順位戦はＢ級１組で２勝６敗。
直近の対局は今週の月曜日（２８日）に朝日杯の二次予選を戦い
午前の１回戦で三枚堂達也四段、午後からの決勝で窪田義行七段を
ともに先手番で下し、見事連勝を飾りました。
直近の対局結果だけをみれば
丸山九段の方に勢いがあるようにも思えますが
こと竜王戦の番勝負に限れば、流れはむしろ渡辺竜王に傾きます。。
丸山九段の２勝１敗で迎えた第４局は今シリーズで急所で
ここを丸山九段が制すれば、大勢は揺るぎないものになりそう
でしたが、渡辺竜王が踏ん張り連敗を止めたことで一息が入り
流れは断ち切れ、第５局は文字通り振り出しに戻った格好に。。
正念場で本領発揮。。竜王戦/第４局「渡辺竜王、激戦を制す」
第４局の戦型は丸山九段拘りの「一手損角換わり」。
逸る丸山九段に対して、堅い玉形を敷き丁寧な受けで凌ぎつつ
一瞬の隙を突いて主導権を握った、実に渡辺竜王らしい完勝劇は
２０１１、１２年に２年連続で行なわれ、ともに渡辺竜王が圧勝で
見事防衛を果たした両者の竜王戦をそこはかとなく彷彿。。
相手をハメ殺すような勝ち方は好まず
自らの美意識にとことん拘り、時に美学に殉ずることも厭わない
孤高の天才・丸山九段がここでムキになると、もはや流れは完全に
渡辺竜王のものとなりそうですが。果たして
先手番で迎える第５局は
丸山九段にとっての正念場となりました。
気になる両者の対戦成績は
ここまで２８戦して、渡辺竜王が１７勝１１敗とリード。
勝ってタイトルに王手をかけるのは渡辺竜王か、丸山九段か。。
将棋界の１２月は「冬の本場所」竜王戦からスタートいたします。
