将棋のどの部分を伸ばしたいですか?
「(少し考えて)粘りですかね」
――粘り・・・ですか。序盤とか終盤という答えを想像していたので少し驚きました。悪くなってからの粘り、ということですよね?
「そうです。最善を続けて離されずについていくということですね」
――この人の粘りを参考にしたいな、という棋士はいますか?
「いえ。すごいと思うのはコンピュータの粘りです。コンピュータだから当然なんですが、悪くなっても心が折れずにその局面での最善手をひたすら続けていくので」
昨日、ご紹介させていただきました
増田康宏四段、驚愕のインタビュー記事の中で
詰将棋は一切解かず、研究会も一切行なわないという
増田四段の日々のトレーニングパートナーが「激指13」であると
堂々と明らかにされたのも、大きな衝撃の一つとなりました。
「激指13」というのは
プロの研究用に開発された特別なマシーンではなく
誰でも入手可能な市販のソフト。。
しかも、現在は「激指14」が発売されており
型落ちのソフトで腕を磨いていることになります。。
最新版の「14」を使用しない理由は明快で
まだ「13」を攻略できていないから。
完全にゲーム感覚ですが
将棋はそもそもボードゲームですので
普通で自然な感覚なのかも。
「激指シリーズ」はパッケージされた商品ですが
三浦弘行九段への冤罪事件で告発者の渡辺明竜王と千田翔太六段が
不正の根拠としたのは、無料でダウンロードが可能な将棋ソフト
「技巧」との指し手との一致率。。
「こんな手を人間が指せるわけがない」
「この局面での技巧との指し手の一致率をみてください」
と、トップ棋士が確信を持って訴える姿は実に滑稽ですが
時の理事会はその話を信じるに値する根拠として全て採用し
冤罪へ突っ走った事実は、今さらながらに恐ろしいこと。。
それとは別に、伸びシロを作るべき若手時代に
積極的に研究会に参加し集団研究で感覚を磨いた渡辺竜王と
ひとりで将棋ソフトと向き合い解析と研究をひたすら重ねている
増田四段や千田六段との間にもすでに、世代間のギャップがあり
今後の勢力地図に与える影響が徐々に顕在化してきそうな予感も。。
あらためて増田四段のファンになっただけでなく
今後のプロの将棋のイメージが少しだけ見えた気がする
あまりにも面白くて恐ろしいインタビューでした。。