隔てる壁は高く

鬼神は揺るがず。。王位戦/第7局「羽生王位完勝!王位6連覇成る」

【 投了図・93手目▲5六銀打 】

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本日、神奈川県秦野市「元湯 陣屋」にて
決着をみました第57期王位戦7番勝負/第7局は
上図93手までで、先手・羽生王位が勝利。

棋譜中継はこちら

カド番立たされた羽生王位がそこから底力を発揮。
第6局、第7局をほぼ完璧な内容でものにし番勝負を逆転。
4勝3敗のフルスコアで、見事王位戦6連覇を達成しました。

木村八段は後一歩まで絶対王者を追い込みましたが
土壇場で羽生王位の魔性の力の前に、その実力を封じられ
残念ながら悲願のタイトル獲得は次回に持ち越しに。。

【 下図は54手目△4五飛 】

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本局に関していうと、木村八段は上手く
羽生王位に攻めさせられた挙句に、形勢を失った。
長年の研究パートナーでもある木村八段の棋風、性格を
羽生王位は知り尽くし、その弱点を突いた印象が残ります。

ここ数年、積極的な攻め将棋で白星を重ね
再びタイトル戦登場を果たした木村八段ですが
元々は受け将棋が持ち味で、自陣を見ながらの構想を練り
模様を張るのが一番自然で、しっくりとくる将棋のはず。

本局の戦型は「横歩取り」。
「横歩取り」は研究将棋の代名詞であり、本局も最新形から
ともに水面下で研究が重ねられたはずの局面へと進行すると
羽生王位は木村八段に先行を許し、後手の駒を前に引っ張り
出してから、大駒の捌きを注文します。。

その注文を受けて立ち
自らが主導する形で飛車交換を成立させた木村八段ですが
その直後、羽生王位は金を吊り上げてから手にした飛車を
後手陣に狙いすまして、ズバッと投入。。

前掛かりになっている上に「中住まい」も崩された
木村八段が以後、形勢を握ることはありませんでした。。

積極的に、見えたけれども。

現代将棋で受け切りを目指すことは困難ですが
しかし、「攻めさせられて」いては攻防の主導権は握れない。
トップ棋士の将棋の厳しさとともに、羽生王位の手練手管。
勝利を手繰り寄せる心理戦と度胸にあらためて驚嘆しました。

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