通算100期目のタイトル防衛を目指す羽生善治竜王に
優駿・広瀬章人八段が挑戦する、第31期竜王戦7番勝負。
大きな期待と注目が集まる将棋界の「冬の本場所」が
明日より、東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」にて
いよいよ運命の幕を開きます。。
羽生竜王の今期ここまでの成績は
28戦14勝14敗(.500)。順位戦はA級で2勝1敗。
佐藤天彦名人に挑戦した春の名人戦では
勝負どころで競り負け2勝4敗の成績に終り名人奪還は成らず。
名人戦と平行して開幕を迎えた棋聖戦もフルセットの熱戦の末に
豊島将之八段(当時)に敗れ無念の失冠、一冠後退となりました。
さらに、続く王位戦も挑戦者決定戦で同じく豊島八段に敗れると
出場するのが当たり前だった王座戦も本戦/1回戦で早々と姿を消し
連続出場記録は「26」でストップ。年明けに控える2つのタイトル
王将戦、棋王戦もすでに敗退が決定しており、今期のタイトル戦は
竜王戦を残すのみとなりました。
現在、公式戦2連勝中と調子を上げて明日の開幕を迎えるものの
ここ数年は好不調の波が激しく、らしくない大敗を度々喫するなど
内容的にも安定感を欠く印象が残るだけに、全く予断を許しません。。
見事防衛を果たせばタイトル獲得100期の大台に乗りますが
もしも敗れれば1990年の11月以来、実に28年ぶりに無冠転落。。
前期の竜王戦で前人未到・空前絶後の大記録「永世七冠」を達成し
今年の2月には「国民栄誉賞」を授与された、将棋の枠を遥かに超えた
スーパースター・羽生竜王がかつてない正念場で番勝負に臨みます。
対します、広瀬八段の今期ここまでの成績は
26戦20勝6敗(.769)。順位戦はA級で3勝1敗。
明日が10月最初の公式戦となる羽生竜王に対し
広瀬八段は過密スケジュールの中、すでに3局の公式戦を消化。
前哨戦となった9日の糸谷哲郎八段戦で2ヶ月ぶりの黒星を喫するも
それまでは破竹の11連勝を記録。順位戦も3連勝中。
内容的にも完勝が多く、ここまで充実のシーズンを過ごし
3年ぶりのタイトル挑戦というモチベーションも加味すれば
明日からの開幕戦に照準を合わせ、調整は万全のはず。。
竜王戦/第1局の棋譜中継はこちら
高いレベルで好対照のシーズンを過ごす
両者の対戦成績はここまで23戦して、羽生竜王が15勝8敗とリード。
一時は羽生竜王が9連勝と大きく差し込みましたが、今期2度の対戦では
いずれも広瀬八段が勝利をおさめています。
どちらも是が非でも白星を飾りたい、番勝負を占う大事な開幕戦。
まずは振り駒で決まる手番が気になりますが、どちらが先手になっても
相居飛車の真っ向勝負、最新形でのねじり合いが予想されます。
白星発進を決めるのは羽生竜王か、広瀬八段か。。
いよいよ始まる歴史的番勝負をぜひ、お見逃しなく。