【速報版】第75期名人戦7番勝負/第3局「稲葉八段、激戦を制す」
【 投了図・116手目△5九銀 】
本日、決着をみました
注目の第75期名人戦7番勝負/第3局は
上図116手までで、後手・稲葉八段が勝利。
前2局は中盤で大差がつき、あっけない終局でしたが
本局は手に汗握る終盤戦が夕食休憩明けから繰り広げられ
最後まで目の離せない、大熱戦となりました。
一時は佐藤名人が懸命の追い上げで盛り返し、形勢も混沌と
したかに思いましたが、稲葉八段の指し手は攻守ともに正確。
局面に良く響き、最後まで攻防の主導権を手放すことなく
強さを存分に感じさせる見事な白星を飾りました。
将棋界最高の歴史と伝統を誇る、選ばれしものの晴れ舞台
名人戦は特にこの10年の間、羽生善治名人と森内俊之名人が
その座を争いながら独占しており、「羽生世代」の出場しない
20代同士の対決となった今年の名人戦には、時の流れ以上に
どことなく違和感を覚えました。
しかし、番勝負も3局を消化し
両者が織り成す将棋の流れや佇まいにも慣れてきて
おのずと感情を移入し、興味も深深と湧いてきます。
とりわけ、勝っていることもあるのでしょうが
稲葉八段は雰囲気があるというか、色気があるというか。。
対局中の指し姿は実に絵になり、格好良さを感じます。
今回がタイトル初挑戦の稲葉八段はもとより
タイトルはまだ名人の1期のみで、今回初防衛を目指す
佐藤名人もこれから全盛期を迎え、これから時代を作る
文字通りにこれからの棋士であり、これからの名人戦。。
番勝負の深まりとともに
双方、どんどん自分の色と将棋を全面に押し出して
伝統の名人戦に新しい一ページを印して欲しいと願いつつ
いまだ誰もみたこともない、名勝負を期待しています。