6連覇を目指す羽生善治王位に
木村一基八段が挑戦する、第57期王位戦7番勝負。
ここまで2局を消化し、1勝1敗のイーブン。
あらためて仕切り直しとなる注目の第3局が、明日より
北海道は旭川市「扇松園」にて開幕。。
羽生王位の今期ここまでの成績は
20戦10勝10敗(.500)。順位戦はA級で1勝1敗。
今期も春の名人戦から4タイトル戦連続出場となり
名人戦は佐藤天彦八段(当時)の前に完敗、無念の陥落。
続く棋聖戦は23歳の挑戦者・永瀬拓矢六段に苦戦するも
土壇場で底力を発揮し、3勝2敗で見事9連覇を達成。。
20代の有望棋士が頻繁にタイトル戦に登場し
将棋の代名詞でもある絶対王者・羽生王位であっても
世代闘争の荒波にさらされますが、しかしここに来て
調子は上昇傾向へ。。
自己ワーストとなる公式戦6連敗を喫するなど
春先から不振に陥り、黒星先行が続きましたが
最近の5局は4勝1敗と大きく勝ち越します。
また、今期は終盤戦で手が伸びず
不可解な逆転負けも目につきましたが、直近の対局では
A級での森内俊之九段戦(7/20)や棋聖戦/第5局(8/1)
そして王位戦/第2局(7/27)といずれも完勝ばかり。
くしくも日曜日に放送されたNHK杯でも
阿久津主税八段に貫禄の勝利をおさめるなど、羽生王位らしい
巨大かつ底の深さを感じさせる強さが戻ってきました。
先手で迎える明日からの王位戦/第3局も
北の大地・北海道で気分良く、開幕を迎えられそうです。
対します、木村八段の今期ここまでの成績は
13戦7勝6敗(.539)。順位戦はB級1組で2勝2敗。
将棋界屈指のテクニシャンで
「攻め駒を責めさせたら日本一」と言われる受けが自慢の
木村八段ですが、最近は攻め将棋にも勝負強さを発揮します。
しかし、上昇傾向にある羽生王位とは対照的に
ここ最近の5局は1勝4敗と調子はやや下降気味。。
先週の木曜日(4日)に行われた
B級1組/4回戦・久保利明九段戦でも終盤で競り負け
後を引く黒星を喫したばかり。。
その棋風通りに思慮深く繊細な木村八段は
不調に陥ると長引くだけに、明日からの第3局は踏ん張りどころ。
悲願の初タイトル奪取にむけて、正念場を迎えました。
気になる両者の対戦成績は
ここまで42戦して、羽生王位の29勝12敗1持将棋。
しかし、ここ5局では3勝2敗と拮抗した数字が残ります。
明日の先手は羽生王位。
戦型予想は「横歩取り」を本線に「角換わり」も有力。
同じ手番で行われた開幕戦は「横歩取り」が採用されました。
果たして番勝負のリードを奪うのは
羽生王位か、木村八段か。。勝負どころの王位戦/第3局を
ぜひ、お見逃しなく!