名人戦の魔性、名人の魔性

【速報版】第74期名人戦7番勝負/第1局「羽生名人、魔性の勝利」

と、いうことで
本日決着をみました第74期名人戦/第1局は
129手を持ちまして、先手・羽生名人が勝利。

若き挑戦者
佐藤八段の得意とする「横歩取り」を受けて立ち
見事な完勝で開幕戦白星を飾りました。

佐藤さんとしては、封じ手ぐらいではいけそうな局面があっただけに、最後に粘りを欠いたことを後悔する一局になってしまいました。

ニコニコ放送で二日目の解説をつとめた渡辺明竜王が
終局後にコメントした通り、佐藤八段としては悔いの残る
しかし、具体的にどこがどう悪かったのかが明快に捉え難い
なんとも後味の悪い敗戦となりました。。

例えば、「封じ手」の38手目△2三銀にしろ
40手目の△8三歩にしろ本筋であり、佐藤八段の棋風的にも
また本局の流れ的にもこの一手だったように感じます。

さらに言えば「横歩取り」のエキスパートである佐藤八段にとっては
想定局面であり、ある程度以上に研究済み、織り込み済みだったはず。。

長い中盤戦は明らかに
受けに回り続けた羽生名人の方が苦しかったはずですが。。

しかし

【 下図は90手目△7七飛成 】

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それまで十分二時間を費やし丹念に読みを入れ
慎重に手を進めていた佐藤八段が、わずか10分の考慮で
あっさりと飛車を切った上図の局面から、本局の流れは一変。
終盤戦に突入したと同時に、形勢は一直線に先手へと傾きました。

佐藤八段ほどのバランス感覚と終盤力の持ち主が
当然ながら急にポッキリ折れることはなく、本局に限れば
「ポッキリと折れたように見えた」。

終盤は粘りを欠いたというよりも
「粘るに粘れなかった」と言う表現の方がしっくりします。

そう見えた、粘るに粘れなかった理由は水面化での「何か」。。
それは名棋士の念が詰まった名人戦という舞台によるものなのか
はたまた、羽生名人の魔性の力によるものか。。

佐藤八段の最後の粘りは美しいといえば美しかったですが
現実的には形作りに留まり、それが今後の戦いにつながるほど
羽生名人は甘くない。辛く厳しい開幕戦となりました。

先手で迎える第2局
佐藤八段は早くも真実の瞬間に臨みます。。

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