本日、決着をみました
王位戦/第5局は後手・羽生王位が勝利。
この結果、今シリーズの対戦成績は
羽生王位の4勝1敗となり、見事王位5連覇が達成されました。
114手目△5二飛の評判が良いみたいですが
個人的には78手目△2八歩成の局面が印象に残りました。。
【 78手目△2八歩成 】
広瀬八段は次に△2五金の一手だった訳ですが
何だか、羽生王位から大駒の交換を持ちかけられて
広瀬八段がそれに従ったように感じられました。。
今シリーズの広瀬八段は開幕戦から
羽生王位のオーラに飲まれていて、羽生王位の出す注文を何でも
無条件に受け入れるイメージがあり、それがそのように感じさせた
直接の原因だと思います。
実際には、飛車と角を交換した局面では
広瀬八段の方が勝さっていたのかもしれませんが
広瀬八段が金で馬を取った瞬間
「これは羽生王位が勝ちそうだな。。」
と、正直思いました。
羽生王位の言い分を聞いた上で勝利をおさめるのは至難の業
というか事実上、はぼ不可能な話であり、今回の番勝負に限れば
戦う前からすでに勝負は決していたと言えるのかも。
しかしながら
広瀬八段が勝手に苦手意識を持つようになったのかと言えば
もちろん、そんなわけがあるはずなく、これまでの戦いの過程で
羽生王位が苦手意識を植え付けていったことが、凄いところ。
目に見える勝ち方一つに留まらず
感想戦でも語られないようなちょっとした局面、何気なくみえた一手で
違いを作り出し、「これは敵わないと」と相手に思わせる強さこそ
羽生王位が絶対王者として長期間君臨している所以。
誰よりも勝利を欲する羽生王位は
誰よりも対戦相手の指し手を観察し、その意味を紐解き、弱みを突く。
これこそが「羽生マジック」と言う言葉の陰に隠れた唯一にして絶対の
羽生王位の勝利の方程式。
豊島七段の挑戦を一蹴した棋聖戦に続く
後味も余韻もまるで残らない番勝負の終結こそ、羽生王位が望む
理想の勝利に思えてなりません。。