【 投了図・108手目△5七歩成 】
本日、決着をみました
第58期王位戦7番勝負の大一番/第5局は
上図108手までで、後手・菅井竜也七段が勝利。
今シリーズ開幕戦から圧倒的な猛威を振るい続けた
「菅井流」振り飛車が本局でもその威力を遺憾なく発揮し
絶対王者・羽生善治王位に全く見せ場を与えあることなく完封。
終局時刻は午後3時8分。
持ち時間を3時間33分も残して見事な圧勝を飾った菅井七段が
番勝負成績を4勝1敗とし、初挑戦でタイトル奪取に成功。。
全国の将棋ファンに「菅井時代」到来を告げました。。
菅井新王位は現在25歳。
岡山県岡山市のご出身で、井上慶太九段門下。
2010年の4月に17歳で「四段、プロデビュー」を果たすと
翌年には当時開催されていた棋戦・大和証券杯の1回戦で早くも
羽生名人(同当時)と対戦し、いきなり勝利を飾った菅井新王位。
初手合いの四段が名人を下す快挙で、一躍その名を轟かせました。
しかし、快挙はそれだけに止まらず
並み居る強豪を押しのけ、そのまま大和証券杯で優勝。
デビューからわずか一年後の棋戦優勝は
久保利明王将の研究パートナーであることとセットで語られ
振り飛車党の若き秀英は「かならずタイトルを獲る男」として
強い衝撃とともに、深く記憶に刻まれました。
あれから、6年。。
順調に出世街道を歩み続けた菅井新王位は、必然を強く感じさせつつ
約束の舞台・タイトル戦に登場し、圧巻の切れ味でタイトルを獲得。。
久保王将と同様に生まれながらの天才肌ですが
努力を惜しまず、デビュー当時からすでに定評のあった
深く深く掘下げ、研鑽に研鑽を重ねた研究はますます精度を高め
ただ勝つだけでなく、その勝利がそのまま定跡となるかのような
「菅井流」でぜひ、今後の将棋界を牽引し席巻して欲しいところ。。
誰も文句のつけようのない新王位誕生は
紛れもなく、将棋界に新時代の訪れを実感させます。