流れを断ち切る流れ。。最終戦は予測不能の大決戦に

衝撃の一手ばったり。。「広瀬八段、歴史的完勝で決着は最終戦へ」

【 投了図・81手目▲3ニ金 】

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本日、決着をみました
「冬の本場所」第31期竜王戦7番勝負の大一番
第6局は上図81手までで、先手・広瀬八段が勝利。

棋譜中継はこちら

通算100期となるタイトル防衛に王手を掛けた
羽生竜王が後手番で自ら「横歩取り」へと誘導し
積極的に仕掛けたものの、一日目終了の時点では
広瀬八段の方が指しやすいと見られていました。。

羽生竜王は最後の最後で切り返しの角を投入し
ギリギリで均衡を保ち、決戦の二日目を迎えますが。。

【 下図は54手目△1九角成 】

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しかし、広瀬八段が二日目も開始直後から自然な指し回しで
ジワジワとリードを広げると、羽生竜王はシビレを切らしたかのように
先手の飛車を放置して香車を捕獲し馬を作る強攻策に転じた、上図の局面で
形勢の針は急転直下、先手へと大きく傾きます。。

【 投了図・81手目▲3ニ金 】

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以降は収拾のつかない進行となり
午後0時7分、昼食休憩すら迎えることなく羽生竜王は投了。
歴史的大一番は思わぬ大差で、あっけない終局となりました。。

衝撃的な一手ばったりではありましたが、あまり意外な感じも残らず
ここ数年の大舞台での羽生竜王の負けパターンをみたという印象を受けた
将棋ファンの方も多いのではないでしょうか。。

かつての羽生竜王は、相手の注文を何でもかんでも受けて立ち
その結果、研究にはまり大差の黒星を喫する姿をしばしば拝見しましたが
ここ数年は逆に自ら注文をつけるなど、序盤の研究に力を入れているのは
火を見るより明らかで、むしろ最新形でリードを奪う展開が増えました。。

しかし、逆に難解な分れの局面や終盤の難所、形勢不明のねじり合いで
根気が切れてしまったかのような淡白な指し回しや、急激な踏み込みによって
自ら形勢を損ねるばかりか、勝負が決まってしまうシーンが目につくように。。

しかも、連勝中や番勝負の勝負どころでも急転直下の敗戦が度々みられ
それまでの流れが台無しとなり、結果、流れが大きく変わる展開が続きます。。

再び振り駒に委ねられ、手番すら分からない最終戦は
一局の中でいつ乱気流が発生するかわからない羽生竜王の側からみると
全く予断を許さず、これまで幾多の修羅場をくぐり抜けてきて百戦錬磨の王者
羽生竜王の勝負勘と勝負術、そして勝負根性に全てが託されます。。

一方、今期は地に足の突いた戦いぶりで充実感が溢れ出す
広瀬八段にとっては竜王奪取の大きなチャンスが到来しました。。

勝てば通算獲得タイトルが100期の大台に乗り
負ければ27年ぶりの無冠転落となる羽生竜王の、そして将棋界にとっての
世紀の大一番は来週の木曜日(20日)、下関にてその幕を開きます。。

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