悪魔の一着、ここに極まれり

昨夜、名古屋駅近くのお店で開かれた
中澤沙耶女流初段のYAMADA杯優勝のお祝いの会
谷川俊昭さんから何と、関係者全員に直筆サイン入りの
書籍をプレゼントして頂きました。

その名も
「週刊将棋30年史 ~アマプロ平手戦・対コンピュータ将棋編~」

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2016年に惜しまれつつも休刊となった
「週刊将棋」のオリジナル企画であります「アマプロ平手戦」と
「対コンピュータ将棋戦」の観戦記と自戦記を収録した豪華な一冊。
手に取ると総ページ数450を越える、その厚みにまずは驚きます。。

ページをめくれば、文章がビッシリ
図面は小さく、わずかな符号に対しての文字数が圧倒的に多く
格調高い外装も相まって、一目では将棋初心者にはとっつき難い
年季の入った将棋ファン向けの本のようにも感じられますが。。

しかし、読み出すとめちゃめちゃ面白い(^^!
観戦記・自戦記の瑞々しくもどこかはかない、つまりは若さ溢れる
エネルギッシュな文章に引き込まれながら、棋士と将棋界の魅力に
あらためて心を鷲づかみにされました。。

今のところ谷川さんの対局しか拝見していませんが
河口俊彦先生の熱くて柔らかい節回しで読む「谷川評」
武者野勝己五段(当時)のウィットに富んだ自戦記は最高で
将棋を知らない方でも時代を語るエッセイとして楽しめるはず。

谷川さんの実弟であります、十七世名人
谷川浩司九段のキャッチフレーズは言わず知れた「光速流」ですが
俊昭さんのキャッチフレーズは「悪魔の一着」。。

灘中から東大を目指した
俊昭さんがもし、学問ではなくプロ棋士を目指していたら
「A級にはなっている」と当時、多数の棋士が証言したという

浩司九段と同様に、その終盤力でプロ棋士をも震え上がらせえた
全盛期の俊昭さんの棋譜を、珠玉の文章と合わせてこれから堪能し
あらためてその偉大さを実感したいと思っています(^^

俊昭さんの他にも、迎え撃つプロ側は
若き日の羽生善治竜王や森内俊之九段、佐藤康光九段が登場。
アマ側も俊昭さんのリコー時代からの盟友である田尻隆司氏や
野山知敬氏、藤森哲也五段のお父様である藤森保氏などなど
多士済々、個性豊かなつわものばかりが名を連ねます。

この本を読了できれば
香車一本、いや飛車一枚ぶん棋力が向上すること間違いなし
「週刊将棋」は決して時代のアダ花などではなかったと確信する
関わった人全ての人格と誠実さが将棋を通して伝わる魂の記録を
ぜひ、将棋を愛する皆様におすすめします☆

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