【 投了図・118手目△5六飛 】
昨日、決着をみました
第30期竜王戦決勝トーナメント/準々決勝
注目の「久保利明王将-佐々木勇気五段」の一戦は
上図118手までで、後手・久保王将が勝利。
トーナメントの1回戦で
史上最年少デビューを果たして以来、公式戦29連勝と
無傷の快進撃を続けていた神童・藤井聡太四段に土をつけ
一躍、その名を轟かせ台風の目となった佐々木五段でしたが
本局は善戦及ばず、更なる高い壁の存在に飲まれる結果に。。
【 下図は80手目△4五同桂 】
世間からも熱き注目を浴びる精鋭を見事に完封した
本局は「裁きのアーティスト」たる久保王将の実力を
あらためて実感させる、素晴らしい将棋となりました。
上図80手目に4五の地点に居を構えた
久保王将の馬が局面が進めば進むほど攻守に利き出し
佐々木五段は踏み込むにも踏み込めず、そうかと言って
守りに徹することもできず、まさにシビれる一着に。。
藤井四段の登場によって
同じく「神童」と呼ばれた佐々木五段や増田康宏四段が
呼応するように覚醒と際立つ個性を発揮し始めましたが
さらにその上に君臨するトップ棋士との距離はまだ遠く
そう簡単には頂に到達することは出来ないのだと。。
今は将棋がブームとされていますが
世間から注目を浴びブームとなっているのは藤井四段で
将棋界はその恩恵を受けたバブルにあるのが実際のところ。
藤井四段が対局中に頼む昼食や夕食に
いつまでも一般世間が熱狂してくれるわけがないのと同じで
タイトル戦線に絡める棋士はいつの時代もせいぜい20名前後
その中で、実際にタイトルを獲得出きる棋士は10名前後という
厳しい現実はバブルにあろうと全く変わることなくシビアに淡々と
続いていくのだということを、あらためて実感することが出来て
ある意味で安心もしました。
佐々木五段や藤井四段が目指す「約束の場所」は
そんに軟な世界ではなく、高くて厚い壁の向こう側にあると。。
だからこそ、プロの将棋は面白いなと感じます。