受けて覚醒。。王位戦/第6局「木村九段完勝、決着は最終局へ」
【 投了図・119手目▲6五金 】
昨日、名宿・陣屋にて決着をみました注目の大一番
第60期王位戦7番勝負/第6局は、上図119手までで
先手・木村一基九段が勝利。
見事、カド番を跳ね返し番勝負は3勝3敗。
タイトルのゆくえは最終戦/第7局までもつれ込みました。
戦型は「相掛かり」
2時間32分にも及んだ大長考で封じた「封じ手」で
強引なまでの攻勢に転じ、攻め合いでの決着を求めた
豊島王位に対して、受けに回った木村九段は本領発揮。。
持ち味である正確な受けで相手の攻めをいなしながら
深い読みに裏打ちされた大局観で、盤全体にくまなく
自らの模様を張り巡らせ、気がついたときにはすでに
木村九段が大勢を支配する展開となりました。
王位戦の7番勝負と平行して開幕した
竜王戦の挑戦者決定三番勝負を合わせた両者による
10番勝負は誰がどうみても、将棋界この夏の主役。。
将棋界天下統一の野望へとひた走る
今をときめく豊島王位が常に先行する形で竜王戦は先日
フルセットの末に豊島王位が挑戦権を獲得し、王位戦も
先に豊島王位がタイトルに王手をかけ若さと勢いの差を
否が応にも感じさせました。。
しかし、木村九段の勝局は全て
らしさと粋がぎっしりと濃縮された実に味わい深い将棋ばかり。
「攻め駒を責めて勝つ」というキャッチフレーズそのままに
ただ受けるだけでなく、受けながら相手の攻め手を咎め、さらに
受けが反撃への礎となっている木村将棋のいぶし銀の魅力と底力を
あらためて、全国将棋ファンに発信し続けます。。
将棋を長くみているファンであればあるほど
木村九段にタイトルを取って欲しい、取らせてあげたいという
気持ちが強いと思われますが、しかし、後一歩の壁の厚さを
誰よりも身に染みて感じているのは、木村九段自身。。
果たして、7度目のタイトル挑戦で悲願達成はなるのか。。
あるいはこれまでとどうよう、後一歩で涙を飲むのか。。
泣いても笑っても後一局。。
苦労を重ね、幾多の修羅場をくぐり抜けてきた本物の勝負師は
将棋界の最先端で再び試され、運命との真っ向勝負に挑みます。