第2期電王戦二番勝負/第1局「PONANZA、ド圧勝」
「PONANZA優勢で終盤戦へ」
本日、栃木県日光市「日光東照宮」にて行なわれました
第2期電王戦二番勝負「佐藤天彦名人-PONANZA」の第1局は
71手までで、先手・PONANZAが白星を飾りました。
初手▲3八金に始まり定跡や常識に捕らわれることなく
序盤から独自の模様を伸び伸びと盤上に描いたPONANZAは
駒がぶつかった中盤以降は佐藤名人を全く、寄せつけず。
右肩上がりの綺麗な形勢グラフのみを残す完璧な勝利。。
2013年の3月に行なわれた団体戦・第2回電王戦の第2局で
当時30歳、順位戦C級2組の佐藤慎一四段を熱戦の末、逆転で下し
史上初めてプロ棋士から白星を飾った将棋ソフトとなったPONANZAは
わずか4年の歳月で、名人に勝っても何一つ不思議も違和感も残らない
完全無欠のモンスターソフトへと進化を遂げました。
しかし、すでにそこには驚きも興奮も存在せず
将棋ソフトという名称を超えた進化するAIと人間が指す将棋に
「勝負論やエンターテイメントを見い出すのは難しい」というのが
大方の将棋ファンの電王戦に対する正直な印象であるはず。
これ以上続けたところで、ここしばらくは差が開く一方であり
今年で電王戦が終了となるのは、誰がどうみても必然の流れ。。
むしろ遅すぎたようにさえ感じます。
完敗を喫してもさほど話題にならず、ネットも荒れない
という意味でのみ、将棋界にとっては名人とソフトの対戦が
いい時期に実現したと言えるのは皮肉で哀しい現実。。
しかし、これから
プロ棋士がソフトを使って研究することが当たり前になれば
これまでの定跡や手筋に対する概念も大きく変わっていくでしょうし
AIの思考を吸収した棋士と将棋ソフトが5年先、10年先にまた
対戦するのも面白く、結果も違ったものになるかも。。
二番勝負の第2局は5月20日(土)、姫路城にて。
佐藤名人にはその間に、いよいよ来週木曜日(6日)に開幕する
第75期名人戦7番勝負で、その実力を存分に披露して欲しいと
心より願い、期待しています。