勝負師の落とし前

極秘会合に竜王、名人。。そして、羽生三冠

本日の昼休み
昨日の先行記事で将棋界に大きな衝撃を与えた
渡辺明竜王の独占告白を含む「スマホ不正」疑惑の記事を
全文読むために、近所のコンビニで週刊文春を購入しました。

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インパクトは初見の先行記事の方がまさりますが
記事を書かれた中村徹氏と文春取材班、証言したプロ棋士の
誠意と真剣さ、そして覚悟が伝わる素晴らしい内容でした。

先行記事で明かされた“極秘会合”に出席したのは
告発者である渡辺明竜王、島朗九段(将棋連盟理事)
谷川浩司会長、羽生善治三冠、佐藤康光九段、佐藤天彦名人
そして将棋界で最も将棋ソフトに精通する千田翔太五段の7名。

7月に行われた三浦弘行九段戦で
あまりの離席の多さと「指し手」に違和感を感じ
9月の定例棋士会で電子機器の持ち込み禁止などを提案した
久保利明九段も会合の途中で電話で参加。

さらに
三浦九段からスマホでパソコンを遠隔操作する方法を尋ねられ
やり方を教えた棋士が三枚堂達也四段であることも明らかにされ
三枚堂四段自身もその事実を認めました。

極秘会合は渡辺明竜王が
「至急、羽生さんと佐藤さんに会いたい」と島九段に
持ちかけて、動き出します。

島九段は若き日の羽生三冠、佐藤九段に
プロとしての振る舞いや心構えを教えた兄貴分であり
今なお、両者が最も信頼を置く存在。

渡辺竜王が島九段に最初に話をもちかけたことに
理事であること以上の意味が込められているのは明らかで
つまり、もう後戻りは出来ないとこの時点で覚悟を決めています。

この会合の結果
参加者7名誰ひとりとして、三浦九段の「シロ」を主張せず。
「不正はあった」可能性が高いとの見解で一致しました。

会合の翌日の朝
羽生三冠は島九段にメール送り、その中で
「限りなく、”黒に近い灰色”だと思います」という
すでに有名になった一文が添えられていたとのこと。

棋士全員が実名で登場の上
将棋界にとどまらず社会的な影響力も大きい
将棋の代名詞・羽生三冠の見解が明かされたことの
衝撃と意味はとてつもなく大きいわけですが、しかし
最も肝心なのは、羽生三冠、渡辺竜王、久保九段は
「証拠のなさ」もあわせて明言していること。

不正の根拠は
「プロとしての勘」が拠り所であるとしています。

これほどの大物が
証拠もないのに「不正あり」の見解を示したからには
不正がなかったと証明された時のリスクは想像を絶し
現時点でも、三浦九段に名誉毀損で訴えを起こされれば
裁判では負けそうな気さえします。

しかし、それでも羽生三冠を筆頭に
立場のあるトップ棋士は全員、実名をさらし見解を示し
全世界に告発する覚悟を決めた。

しかも、三浦九段をこれ以上は追求しないと言う。。
三浦九段の年明けからの復帰の道もすでにつけている。

https://twitter.com/mau28310351/status/788756658830790656

昨夜、奥様のtwitterアカウントにて
羽生三冠が文春の先行記事に対する反響の大きさに
応える形でコメントを発表しました。

「灰色に近い」と発言した事実をあらためて認めた上で
それでも証拠がない以上「疑わしきは罰せずが大原則と思う」
と結びました。

このコメントの意味を理解するのは難しいのですが
個人的には将棋ファンに向けてのコメントだとは思いません。
三浦九段に向けて発信したコメントだと解釈しています。

トップ棋士は皆、三浦九段の不正を疑っている。
それでも厳罰は望まず、盤の前に戻って来いと言っている。

事件発覚からの将棋連盟の対応を見る限りは
世間知らずの間抜けな集団としか思えませんでしたが
実はそうではなかった。

怒りよりも、誇りを胸に
プロの勝負師として最も厳しいやり方で落とし前をつける。
三浦九段と再び盤を向かい合い、今一度将棋で勝負するのだと
羽生三冠をはじめトップ棋士は皆、腹を決めている。

文春の記事を読んで
そんな風に、感じています。

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コメント

  1. 清水節治 より:

    「トップ棋士は皆、三浦九段の不正を疑っている。
    それでも厳罰は望まず、盤の前に戻って来いと言っている……、」そうか、そうだったのか、と、その「読み」に深く納得しました。そのように収まってほしいと思います。

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