【 名人戦/第2局二日目・61手目▲3六銀 】
昨夜、決着をみました
第74期名人戦7番勝負/第2局は
上図の局面で、二日目のお昼休憩に突入。
ここまで見届けてから
私はナゴヤドームへと向かいました。
我が地元・中日ドラゴンズは東京ヤクルトスワローズと対戦。
今シーズン初の観戦となります。
結果は9回表に2点差をひっくり返されての大逆転負け。
バレンティン選手のソロホームランで1点差に詰め寄ると
ランナーを溜めてから伏兵・中村悠平捕手の3ランが飛び出し計4点。
ドラゴンズファンにとっては悪夢のどんでん返しとなりました。
当然ながら、ドラゴンズファンである
私にとっては残念な負け試合となりましたが
それでも見どころは多く、大きな満足感も残りました。
最も印象に残ったのは
ヤクルト・山田哲人選手のホームラン。
その瞬間を真横からみていましたが
スコーンとバットに弾かれたボールが
バックスクリーン横へと突き刺さるまでの
弾道の何たる美しさ。。
ライナーで飛んでいったボールは
セカンドベースを越えた辺りで、グーンと伸びて
さらに加速したようにさえ感じました。
さすがは現在、セリーグナンバー1の好打者
今が旬で、これから全盛期を迎える山田選手の一打だと
心底感心し、いいものをみせてもらったと感動しました。
【 下図は95手目▲4五金 】
家に帰って名人戦/第2局に合流すると
すでに終盤戦でしたが、形勢がにわかには分らない。。
プロ野球観戦直後の興奮ももちろんありますが
第2局の戦型である「相矢倉」は先手必勝と言われるほどに
先手が攻めて後手が専守防衛に徹するのが攻防の基本となります。
しかし、本局では羽生名人も激しく応戦し攻め合いの展開に。。
一手、一手が難解で、一手ごとに風景が変わる
激しいねじり合いがひたすら繰り広げられました。。
しかし、120手を越えた辺りでしょうか
佐藤八段が攻勢を強め、羽生名人が受けに回ると
次第に形勢が後手に傾いていくのを感じ始めます。。
【 下図は129手目▲5二金 】
上図で佐藤八段が手持ちの金を打ち込み、王手。
以下、▲同飛~△同桂成と進行した局面では、後手優勢。
手持ちの駒が飛車一枚の佐藤八段の攻めがこれ以上は
続かないのではないか、と思いましたが。。
まるで数時間前にみた、山田選手のホームランのように。
佐藤八段は飛車を手にして再加速したかのように
ここからさらに熱く、激しく、そして美しく羽生玉を猛追。
勝利への執念を漲らせ、食らいつきます。。
しかし、羽生名人は機をみて反撃の態勢を着々と整え
名人戦/第1局と同じような展開で、佐藤八段の攻めを受け切り
貫禄の勝利を勝利をおさめるとの予想は覆りませんでした。。
ところが。。
【 投了図・159手目▲7五同桂 】
第1局と大きく違ったのは
秒読みに追われた羽生名人は読み切れておらず
佐藤八段の気迫の前に、詰みを見逃す大波乱が発生。。
絶体絶命からの急転直下で
佐藤八段が大逆転勝利を飾り、どよめきとざわめきの中で
今シリーズ待望の初勝利をもぎ取りました。