【 投了図・105手目▲2九角 】
木曜日(4日)に行われました
第74期C級2組順位戦/10回戦・一斉対局に登場した
最近はネスカフェ動画でも人気を博す、神武以来の天才
加藤一二三九段は、上図105手目の局面で無念の投了。
この結果、加藤九段の今期成績は
19戦全敗、順位戦も9戦9敗となりました。
終局時刻は午前0時9分。
名人を含むタイトル獲得8期を誇る御年76歳の巨星は最後まで
勝利への執念をみせるも、残念ながら白星を飾ることは出来ず。
3月3日に行われる順位戦最終戦に今期初勝利を目指します。
そのC級2組順位戦で
“ラス前”10回戦終了時点で昇格争いの首位を走るのは
8勝1敗で並ぶ宮本広志四段と青嶋未来四段。
番付の差で、宮本四段がトップに立ちます。
(宮本四段は番付28位、青嶋四段は同46位)
宮本四段と言えば奨励会三段リーグ在籍時に
年齢制限(26歳)による退会の危機を4度、指し分け以上で凌ぎ
28歳にしてようやく「四段、プロデビュー」を勝ち取った苦労人。
先月27日の誕生日で30歳となり
すでにA級2期、タイトル1期の実績を持つ広瀬章人八段より一つ年上。
同じ関西勢で一昨年、竜王を獲得した糸谷哲郎八段は学年で3つ下。。
年齢的にはプロ入りがゴールであってもおかしくありませんが、しかし
実質プロ2年目となる今期ここまでの成績は29戦19勝10敗(.655)。
順位戦は開幕3連勝の後、現在5連勝中で8勝1敗と白星を量産します。
これだけ勝っているということは
研究に余念がなく、日々の精進のたまものであることは当然ながら
さらに上を目指す、宮本四段の向上心によるところが大きいはず。
決して現状に甘んじない、ここがゴールではないんだと。。
そもそも奨励会で年齢制限に達してもなお
心が折れずにそこから2年も戦い抜けたのは、宮本四段が心の奥底で
「自分ならやれる」「俺はプロに絶対になれる」という確信を持っていた
誰が何と言おうと、自分で自分を信じきることが出来たからこそだと
個人的には思っています。
本気を笑う者などいない。
若干14歳でプロになった天才・加藤九段も
28歳でやっとの思いでプロにたどり着いた宮本四段も
決定的なところでは勝負師として同じ資質を持っていると感じますし
だからこそ心が揺さぶられ、心から応援したくなります。
加藤九段と宮本四段の順位戦最終戦から目が離せません。。