完勝模様から一転。。棋王戦/第1局「渡辺棋王、泥沼の白星発進」
【 投了図・189手目▲4九角 】
本日、栃木県にて開幕いたしました
将棋界「年度末の風物詩」第43期棋王戦5番勝負。
注目の開幕戦は上図189手までで、先手・渡辺棋王が勝利。
【 下図は130手目△1四玉 】
戦型は渡辺棋王の「矢倉」に対して
永瀬七段は現在流行中の「雁木」に駒を組み、いざ開戦へ。。
渡辺棋王がタイミングよく得意の端攻めを決めて主導権を握り
後はどう寄せるかの勝負となりましたが。。しかし
【 下図は174手目△2七玉 】
永瀬七段はそこから持ち前の勝負根性を遺憾なく発揮。。
勝ち目のない攻め合いではなく、「入玉」を強かに目指し
粘りに粘って僅かな隙間を突き玉を前進させて行きます。。
【 投了図・189手目▲4九角 】
中盤でついた形勢の差はそう簡単には縮まらないものの
渡辺棋王は後手玉を持て余し、ついには持ち時間をも使い切り
ともに1分勝負となった泥沼の終盤戦にもがき苦しみます。。
ようやく、上図の局面で仕留め上げましたが
完勝ムードはそのにはなく、後味の苦い開幕戦白星となりました。
永瀬七段の粘りも見事でしたが
気になるのはやはり、明快と決め切れなかった渡辺棋王。。
今期の不調の大きな要因となっている終盤の大局観の乱れを
本局でも露呈し、大きなアドバンテージを得た白星発進の影で
何かが起こりそうな予感も確かに残った開幕戦となりました。。