BIG3の矜持、胸中。。来期は何処へ

羽生世代今期成績一覧

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2016年度も明日で終了。
全体的に苦戦を強いられ、ある種の節目をも感じさせた
「羽生世代」の今シーズンも区切りを迎えます。

最初の衝撃は、何と言っても
将棋の代名詞である羽生善治三冠の名人陥落。
開幕戦こそ貫禄の勝利をおさめたものの、続く第2局で
終盤に大きなミスが出て逆転負けを喫すると流れを失い
28歳の若き挑戦者・佐藤天彦八段(当時)の前に
見せ場なく、そのまま4連敗で失冠となりました。。

名人を失ったショックはさすがに大きく
その後やや精彩を欠くも、そこからさすがの底力を発揮し
続く棋聖、王位、王座は防衛に成功、見事三冠を維持すると
9月から10月にかけて怒涛の8連勝を記録。。

誰もが強い羽生三冠の復活を確信しましたが。。
しかし、冤罪事件発生直後から再び調子は急降下。。

内容的にも羽生三冠らしからぬ安定感を欠き
4タイトル戦連続出場以降はタイトル挑戦と棋戦優勝はゼロ。
15歳でプロとなって以来、初めて年間勝率6割を切りました。

羽生三冠今期成績一覧(49戦27勝22敗.551)

羽生三冠以上に深刻なシーズンとなったのが
一昨年まで4年連続で羽生三冠と名人戦を戦った
盟友にして永遠のライバル・森内俊之九段。

春先から調子が上がらず
連敗につぐ連敗を繰り返し、最後も3連敗フィニッシュ。。

22年間守り通した拘りのA級からの陥落をはじめ
来期の竜王戦、王位戦、棋聖戦、王座で敗退が決まるなど
不振の代償は極めて大きく、厳しいものとなりました。

入念な事前準備ときめ細かな研究のもと対局に臨む本格正統派は
その誠実な人柄も相まって将棋ファンから絶大な信頼を得ますが
ここ数年は好不調の波が激しく、一度スランプに陥ると停滞は長く
正直、全盛期の勢いを感じることはできません。

時に完璧となり、無敵の王者となる
森内九段の復活を心より願っていますが、その道は険しく
まずは浮上のきっかけが欲しいところであります。。

森内九段今期成績一覧(34戦12勝22敗.353)

「羽生世代」BIG3の中で、最も異彩を放ったのは
今年2月に日本将棋連盟の会長に就任した佐藤康光九段。

春から夏にかけては森内九段同様、調子が上がらず
黒星が先行しましたが、しかし年明けからは脅威の巻き返しをみせ
NHK杯優勝を含む、怒涛の公式戦9連勝でシーズンを締めくくりました。

冤罪事件の後遺症が重く圧し掛かる将棋界の舵取りだけでなく
プレーヤーとしても意地と存在感を示した佐藤九段の来シーズンは
大きな期待と活気に満ち溢れます。。

佐藤九段今期成績一覧(33戦16勝17敗.485)

ということで、三者三様のシーズンでしたが
共通して言えるのは、躍進著しい若手との対戦での苦戦。。
多くの黒星を献上し、世代交代の波の高さを印象付けました。

来るべき新シーズンは、より一層
その構図が鮮明に反映されることは間違いありませんが
50代突入をそろそろ視野に捉えはじめた「羽生世代」の対局
そして一挙手一投足には熱き注目と変わらぬ声援が注がれるはず。。

もちろん私も絶賛応援!頑張れ!「羽生世代」!!

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