初防衛を目指す豊島将之王位に
木村一基九段が挑戦する、第60期王位戦7番勝負。
ここまで5局を消化し、豊島王位が3勝2敗とリード。
防衛に王手をかけて迎えた大一番/第6局が、明日より
神奈川県秦野市「元湯 陣屋」にてその幕を開きます。
豊島王位の今期ここまでの成績は
28戦20勝8敗(.714)。
春の名人戦から3タイトル戦連続出場中で
名人戦では佐藤天彦名人(当時)を開幕4連勝と圧倒し
悲願の名人奪取に成功するも、続く棋聖戦では最強の挑戦者
渡辺明三冠に1勝3敗で敗れ防衛失敗、ニ冠後退となりました。
しかし、新世代のエースの勢いは止まらず
挑戦権獲得こそ逃したものの王座戦は挑戦者決定戦まで進出。
木曜日(5日)には同じく木村九段と争った挑戦者決定三番勝負を制し
「冬の本場所」竜王戦の挑戦権獲得と圧倒的な結果を積み上げます。
王位戦も先に王手をかけた迎える明日からの第6局。
将棋界の天下統一へと突っ走る、研究将棋の申し子に
死角は全く見当たりません。
対します、木村九段の今期ここまでの成績は
24戦13勝11敗(.542)。順位戦はA級で開幕黒星発進。
ここ数年で自慢の受け将棋はより攻撃的な将棋へと進化を遂げ
今期、9期ぶりの順位戦A級復帰を果たすなど高いベルで結果も残す
木村九段にとっては、7度目のタイトル挑戦となった今回の王位戦は
かつてない手応えと大きな自信を持って臨んだ番勝負。
開幕2連敗と出しで大きくつまずくも
気持ちを切らすことなく2連勝と巻き返し、タイスコアに戻しましたが
急所の第5局を落とし先にカド番に立たされる苦しい展開となりました。
同じく豊島王位と争った竜王戦挑戦者決定三番勝負も
最終戦の大一番を完敗で落とし、挑戦権を逃したばかりで
風向きははっきりと、追い風から逆風へと変わりましたが
これも初タイトルへの大きな試練と鍛えの入った勝負師は
真価の問われる明日からの決戦に静かな闘志を燃やします。
気になる両者の対戦成績は
ここまで16戦して、豊島王位の9勝6敗と拮抗。
果たして、豊島王位が問答無用で初防衛を達成するのか
木村九段がカド番を凌ぎ、決着はフルセットまでもつれ込むのか。。
この夏の将棋界を熱くした
両者の10番勝負はいよいよ、大詰めを迎えます。。