時代の試練を前にして。。

棋聖戦/第3局「豊島八段、手堅い勝利でタイトル奪取へ王手」

【 投了図・145手目▲5五同玉 】

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本日、静岡県にて行なわれました
第89期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負/第3局は
上図145手までで、先手・豊島八段が勝利。

棋譜中継はこちら

1勝1敗で迎えた正念場の一戦で
羽生棋聖は後手番で何と意表の「袖飛車」を投入。
プロの公式戦でもめったにお目にかかることの出来ない
奇襲戦法の採用に将棋界は大きなどよめきで包まれました。。

終盤まで研究が行き届き、ハマると一本道に持ち込まれやすい
豊島八段が得意とする「横歩取り」と「角換わり」での勝負を避け
序盤から早々と定跡を外れて力と力の勝負に持ち込みたいという
羽生棋聖の気持ちが強く伝わる「袖飛車」投入でしたが、しかし
その意気込みとは裏腹に、終始豊島八段のペースで進行。。

大勢が決してからも、淡々と最後まで指し進み
形作りをする羽生棋聖の姿からは、第一人者の責任感とともに
時代の流れの中でもがき苦しむ王者の苦悩が感じられました。。

羽生棋聖はカド番で臨んだ名人戦/第6局でも
2手目△6二銀の意表の一手から力戦に持ち込みましたが
本局と同様に佐藤天彦名人の手厚い指し回しの前に完敗。。

「倣いの手筋」、「鍛えの将棋」の時代から
人間では読みきれない膨大な指し手の解析によって
正確無比な形勢値と変化の序列を瞬時に明示してみせる
将棋ソフトの出現は、秀英の圧倒的な進化を助長するだけでなく
将棋の代名詞であるだけに留まらず、国民的な大スターである
羽生棋聖の輝きをも吸収してしまうのか。。

名人戦に続き、棋聖戦もカド番に立たされた
羽生棋聖の歴史的試練は続きます。。

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