明日より、第89期棋聖戦5番勝負開幕

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前人未到の11連覇を目指す羽生善治棋聖に
28歳の秀英・豊島将之八段が挑戦する、第89期棋聖戦5番勝負。

6月の将棋界を彩る伝統のタイトル戦が、いよいよ明日
兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」にて開幕の時を迎えます。

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羽生棋聖の今期ここまでの成績は10戦4勝6敗(.400)。
昨日、棋聖戦の前哨戦ともなった第59期王位戦の挑戦者決定戦を
豊島八段と戦い無念の黒星。雪辱を期した王位戦の挑戦権を逃したばかりか
明日からの番勝負にも大きな不安を残す、後味の悪い敗戦となりました。

現在、佐藤天彦名人に挑戦中の第76期名人戦7番勝負でも
急所の第4局第5局をともに完敗で落とし、カド番に立たされた上に
19連覇を含む26年連続番勝負出場中だった王座戦も早々と敗退が決定
偉大な連続出場記録がここでストップと、手痛いどころではすまされない
大きな黒星ばかりを重ねて4連敗中と調子は下降の一途を辿ります。

一昨年度の名人戦や、前期の王座戦でも失冠の大きな要因ともなった
勝負どころでの読み抜けや、根気や集中力がふっと切れたような終盤戦で
まさかの大逆転負けを喫する姿を目にすることが増えてきた羽生棋聖。。

将棋ソフトでの研究が日常的となり
終盤から逆算して組み立てるような将棋が幅を利かせる中では
かつてのような終盤のねじり合い、一手のマジックが起こりうる余地は
ほとんど存在せず、通算100期目のタイトル獲得を狙う「永世七冠」
羽生棋聖は抗うことの出来ない時代のうねりにもがき苦しみます。。

果たしてこのまま飲み込まれてしまうのか。。それとも
これまでは絶体絶命の危機を、ことごとく跳ね返し復活を遂げてきた
勝負の鬼・羽生竜王のあらためて真価が問われる番勝負となりました。

対します、最強の挑戦者
豊島八段の今期ここまでの成績は12勝9勝3敗(.750)。
惜しくも奪取は成りませんでしたが、年明けに王将戦に挑戦すると
A級順位戦ではプレーオフの準決勝まで進出。新年度を迎えるとまず
棋聖戦の挑戦権を獲得し、続けて昨日には王位戦の挑戦権も獲得。

タイトル戦線の常に主役を張り続け
今が旬でありながら、全盛期は遥か先に感じさせる豊島八段。

奨励会在籍の頃より、その才能には一目置かれ
17歳の時、将棋界初の「平成生まれのプロ棋士」となって以来
高い勝率を毎年キープしながら、出世街道を歩み続けた秀英ですが
ここ一番での勝負弱さもあわせ持ち、タイトルにはいまだ届かず
同世代のライバルの後塵を拝する、悔しさを味わいました。。

しかし、そのひ弱さはもはや存在せず。
タイトルを持っていないことの方が不自然に感じられるほどに
圧倒的な強さと切れ味、そして揺るぎない自信と充実感を漂わせ
明日からの番勝負に颯爽と姿を現します。。

棋聖戦/第1局の棋譜中継はこちら

気になる両者の対戦成績は
ここまで22戦して、羽生棋聖の12勝10敗と拮抗。。

現時の勢いは対照的ですが
番勝負には魔物が棲みつき、羽生棋聖としてはまず
開幕戦を制して、悪い流れを断ち切り弾みをつけたいところ。。

逆に豊島八段が勝利をおさめれば
そのままシリーズの流れが決まってしまうような気配もあり
開幕戦はいきなりの正念場、両者にとっての関所となりそうです。。

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