新二強時代に備えて。。

6月も今日で12日。
毎日が本当に忙しく、あっという間に過ぎて行きますが
今月に入ってからは普段は読書にあてる時間にほぼ毎日
第74期名人戦の棋譜を並べています。

特に、3局全てが「横歩取り」となり佐藤新名人が3連勝を飾った
第3局から最終戦/第5局までを繰り返し振り返っているのですが
あらためて、その内容に感心させられます。。

この3局は佐藤名人が一方的に寄せ切り、終盤の攻防がありません。
あの羽生三冠が手も足も出ず、首を差し出す形で終局に向かいます。

「横歩取りは研究将棋」とはいうものの
佐藤名人は奇を衒った指し回しやド派手な研究手を披露することなく
あくまでも自然で丁寧な手を積み重ねているのに、開戦に至る頃には
もうすでに、形勢が佐藤名人に傾いているという展開が続きます。。

番勝負を振り返ってみると
羽生三冠が詰みを見逃した第2局が流れを変えたとも言えますが
後半の3局をみる限りは、名人交代は必然の流れだったように感じる
佐藤名人の突出した強さと気品に溢れた、見事な将棋でした。

しかし、この3局を振り返った後に
佐藤名人(当時八段)が渡辺明棋王に挑戦した第41期棋王戦の
決着局となった第4局を並べると、同じ「横歩取り」でありながら
全く違う感想と余韻が残ります。。

出来ればここ7~8年の流れと同じく
羽生三冠が複数冠を保持しながら「羽生世代」が一丸となって
渡辺二冠に立ち向かい、徐々に挽回し、指し込んでいく展開が
将棋界の安定と言う意味で最も望ましいのは明白ですが。。

しかし

目まぐるしく、みたこともない激しい攻防から
渡辺棋王が佐藤名人を翻弄し、ねじ伏せた棋王戦/第4局は
「渡辺竜王・佐藤名人の二強時代」に備えなければならないと
思わせるに十分な説得力と凄味に満ち溢れます。。

どの世界、どの分野でもそうなのでしょうが
新時代の到来というのはドラマティックなものいうよりは
より圧倒的で独占的なものになるとみて、間違いなさそうです。

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