進化する本格正統派

第65期王将戦/第4局「郷田王将、快心の寄り切り。。再びタイに」

【 投了図・89手目▲7五桂 】

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本日、決着をみました
注目の第65期王将戦7番勝負/第4局は
上図89手までで、後手・郷田真隆王将が勝利。

戦型は「角換わり相腰掛銀」。
羽生善治名人の怒涛の踏み込みを真正面から受け止めると
攻守が入れ替わるやいなや、そのまま電車道で寄せ切る
実に力強い、見事な勝利でした。。

【 下図は52手目△4一玉 】

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振り返れば二日目の開始直後
羽生名人の「封じ手」51手目▲4四歩に対して
突き立てられた歩を手抜き、玉で銀を取り切った上図の一手が
郷田王将の本譜への自信の現われだったでしょうか。

棋譜中継コメント欄によりますと。。

以前に私が行っていた研究では、△4一玉なら後手の勝率が高く、△4四同銀右なら難解ながら先手が少し指せそうだという結論です。なお、この辺りは見解が大きく分かれるところだと思います。

との、千田翔太五段の見解が述べられていますが
まさにその通り、直後に羽生名人はド迫力の猛攻を仕掛けるも
一度切れると後が続かず、もちろん「詰めろ」もかからず。

手番を握った郷田王将が豊富な持ち駒を駆使して
反撃へ転じると後はもう、一方的な展開となりました。。

こういう勝ち方は、やはり事前研究の跡が見てとれるといいますか
その場の閃きというよりも郷田王将がある程度、この展開、局面を
想定し、研究していたという印象が残ります。

棋譜を己の価値を決める商品と位置づけ
誰よりも棋理を重んじる古風な本格正統派・郷田王将ですが、数年前
「自分から手損してまで角を交換するなんて」と長らく採用しなかった
「一手損角換わり」を採用し始めた頃から、何かが変わったのは事実。

ここ数年
ある意味で同世代の森内俊之九段、佐藤康光九段をも上回る
高いレベルでの安定した活躍を続ける郷田王将の拠り所となっているのは
最新形を網羅するための研究、努力の積み重ねであると断言できます。

羽生名人に挑戦するのではなく
自分が羽生名人の挑戦を受けて立つのだという気概に溢れた本局は
今後につながる自信と確信、そして誇り高き信念を満天下にみせつけ
そして自らを鼓舞する、価値ある勝利となりました。

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