将棋栄誉賞受賞・藤井九段、明日登場。

藤井 猛九段、600勝(将棋栄誉賞)を達成

藤井猛九段(45歳)が1月27日に東京・将棋会館で行われた第9回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)本戦トーナメントで糸谷哲郎八段に勝ち、49人目となる公式戦通算600勝(将棋栄誉賞)を達成いたしました。

らしさ存分。。第9回朝日杯将棋オープン/1回戦「藤井九段快勝で2回戦進出」

今週の水曜日に行われました
第9回朝日杯/1回戦で、西の怪童・糸谷哲郎八段を一蹴。。
見事な勝利を飾った藤井九段ですが、その白星が区切りとなります
通算600勝目となり、将棋栄誉賞が授与されることとなりました。

600勝達成時の通算成績は
1026戦600勝426敗(.585)。

同世代で先に600勝を達成している

羽生善治名人(現在1854戦1335勝517敗 勝率.721)
佐藤康光九段(同1548戦977勝571敗 同.631)
森内俊之九段(同1398戦881勝517敗 同.630)

に比べると、特に勝率で見劣りますが
しかし、それは将棋界史上最高のクリエイターである
天才・藤井九段にとっては勲章そのもの。。

振り飛車の王道である四間飛車に強い拘りを持ち
近代将棋の金字塔「藤井システム」、「角交換四間飛車」
そして居飛車の「藤井流早囲い矢倉」をたった一人で設計開発。

序盤の一手一手をとことんまで突詰め、心血を注ぎ練り上げた構想を
自らの公式戦で試し、時に手痛い代償を払いながらも薄紙を剥ぐように
繊細に磨き上げた汗と涙、才能と努力の結晶「藤井流」の戦法は全て
将棋界をセンセーショナル、席巻し爆発的なブームを起こしました。

自らも竜王戦3連覇の偉業を達成した「藤井システム」全盛期には
「藤井システムのおかげで(三段リーグを勝ち抜き)、プロになれた」と
いう棋士もいるほど、その破壊力、影響力は絶大。。

しかし、居飛車側の集団研究の前に負けが込み始めると
勝ち馬に乗っかるだけの棋士たちは「藤井システム」に背をむけ
藤井九段はたったひとりで定跡の深化、未知なる可能性を探ることに。。

また、いまでこそ戦型として認められている「角交換四間飛車」も
当初は手損が不評を買い、開発者の藤井九段しか指す棋士はおらず
「(その頃の)勝率は2割ぐらいですよ」と自ら嘲気味に話すほど
藤井九段は黒星とともに、孤独な研究を積み重ねました。

結局、天才は孤独でなければならない。
飾り気のない人柄も人気のひとつである藤井九段ですが
自分の才能に対する確信と最後までやり遂げる意志の強さこそが
最大の魅力であり、尊敬と憧れの念を抱くところ。

惜しくも朝日杯は2回戦で敗れ、ベスト4進出はなりませんでしたが
今期ここまで好調を維持する藤井九段には、今後益々の活躍が期待されます。

明日は日曜午前のお楽しみ第65回NHK杯の3回戦に登場。
北浜健介八段を相手にベスト8進出を懸けて戦います。

藤井将棋の醍醐味である
繊細にして巧妙な序盤戦術が実に楽しみであります。。

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