純然たる勝負師として

正念場で本領発揮。。竜王戦/第4局「渡辺竜王、激戦を制す」

【 投了図・101手目▲6六銀 】

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本日、決着をみました
注目の第29期竜王戦7番勝負/第4局は
上図101手までで、先手・渡辺竜王が勝利。

棋譜中継はこちら

掛け値なしの熱戦ではあったのですが
持ち味を出したのは渡辺竜王であり、完勝に感じました。

堅い玉形を特に好む本格正統派で
丁寧に相手の主張に耳を傾けながら本筋を掘下げ、手を探る。

相手のかさにかかった一本調子の攻めを凌ぐのが抜群に上手く
小駒を絡めた細い手を繋ぐのを得意とする渡辺竜王にとっては
熱く、強引に畳み掛けて来た本局の丸山九段は、実のところ
今シリーズで一番、戦いやすかったかも知れません。

自らが引き金をひいた
三浦九段の「将棋ソフト不正疑惑」発覚以来
黒星が先行し、不調説も囁かれた渡辺竜王。。

当然、ひとりのトップ棋士の人生をぶち壊す
大きな告発をしたからには、それ相当の覚悟があったにしても
精神的な葛藤や自責の念に苛まれることはあるはず。。

しかし、だからといってこの問題が自身の将棋に影響するほど
誰もが認める「羽生世代」の次の時代の覇者である渡辺竜王が
やわな存在であるはずもありません。

むしろ将棋に関しての葛藤や苦悩は
羽生三冠にはじめてタイトル戦で敗れた4年前の王座戦の後
拘りの2手目△8四歩を捨て後手番で振り飛車を採用し始めた
ここ数年来、ずっと抱えているもの。。

「羽生世代」の巻き返しに歩調を合わせて
他の棋士のマーク、研究や対策もことさら厳しさを増し
思うように白星を稼げなくなった渡辺竜王は今、もがき苦しみながら
純然たる勝負師としてただひたすらに勝利のみを追求中。。

空前の盛り上がりを見せる今期の竜王戦。。
しかし、突き詰めれば個人の、渡辺竜王と丸山九段の戦い。。
己との戦いの場であることに、何ら変わりはありません。

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