前人未到の10連覇を目指す里見香奈女流名人に
伊藤沙恵女流二段が挑戦する、第45期岡田美術館杯女流名人戦。
女流将棋界に新年の幕開けを告げる歴史と伝統の番勝負が
明日、神奈川県箱根町「岡田美術館」にて開幕の時を迎えます。
昨年の3月、年齢制限により奨励会を三段で退会。
史上初の「女性棋士」誕生の美しく貴い夢は残念ながら叶わず
今期より女流棋士一本で新たなスタートを切った里見女流名人。
渡部愛女流二段(当時)の挑戦を受けた
5月の女流王位戦こそ精彩を欠き、らしくないミスを連発
タイトル失冠の憂き目をみましたが、その後はしっかり立て直し
女流王将、女流王座、倉敷藤花の防衛を果たし女流四冠をキープ。
さらに男性棋士との対戦でも
王座戦の3連勝、朝日杯の連勝を含め7勝8敗と互角に渡り合い
あらためて鍛えの入った確かな実力と存在感を示しました。
文字通りに身を削り、悲壮感を漂わせた奨励会時代とは打って変わって
女性らしい色彩豊かな明るさと柔らかな雰囲気をナチュラルに醸し出す
新たな一面をみせファンを魅了、普及活動の面でも絶大なる貢献をする
女流将棋の第一人者・里見女流名人は、激動のシーズンを締め括るべく
拘りのタイトル防衛へ神経を研ぎ澄まし、気合が入ります。。
対しますは、最強の挑戦者・伊藤女流二段。
今期ここまでの対女流成績は25戦20勝5敗(.800)。
対男性棋士との公式戦は9戦して5勝4敗と勝ち越します。
ここ数年はタイトル戦の常連で、いつタイトルを手にしてもおかしくない
むしろ、無冠でいることの方が不思議に感じるほど充実感を漲らせますが
非公式戦ではあるものの、第1回女流AbemaTVトーナメントで見事優勝。
決勝戦では里見女流名人との三番勝負を制し、まずは気勢を上げました。
率直に言って
現在の女流将棋界ではこの両者の実力がずば抜けており
女流名人の名を懸けて争うにふさわしい頂上決戦の実現は
男性棋士のタイトル戦と同様の期待で胸が高鳴ります。
気になる両者の対戦成績は
ここまで14戦して、里見女流名人が11勝3敗と大きくリード。
公式戦では現在8連敗中の伊藤女流二段としては、開幕戦でまず
連敗を止め、気持ちを落ち着かせたところであります。。
対局開始は午前9時30分より。
女流将棋界が誇る激戦必至の黄金カードをぜひ、ご堪能ください。