3連覇を目指す佐藤天彦名人に
通算100期目のタイトル獲得が懸かる「永世七冠」
羽生善治竜王が挑戦する、第76期名人戦7番勝負。
ここまで5局を消化し、佐藤名人が3勝2敗とリード。
3連覇に王手をかけて迎える大一番/第6局が、明日より
山形県天童市「天童ホテル」にて、運命の幕を開きます。。
佐藤名人の今期ここまでの成績は7戦4勝3敗(.571)。
前期の後半から連敗を重ね、黒星先行で名人戦開幕を迎えましたが
しかし、番勝負が進むにつれて確実に本来の調子と強さを取り戻すと
第4局、第5局をともに完勝で制し、シリーズの流れを完全に引き寄せ
虎の子のタイトル防衛に見晴らし良好、堂々の王手をかけました。
明日からの第6局を前にして
今月6日に行なわれた前哨戦も見事勝利で飾り、現在公式戦3連勝中。
「横歩取り」と「角換わり」を主戦に、相手の主張に丁寧に耳を傾けつつ
自然な手を重ねながら急所を逃さず、鋭い踏み込みで相手の息の根を止める。
名人は名人の将棋で一点の曇りなく、颯爽と3連覇達成を狙います。
対します、カド番でもう後のなくなった
羽生竜王の今期ここまでの成績は12戦5勝7敗(.417)。
プレーオフの激戦を制して名人挑戦権を獲得し、意気揚々と臨んだ今期は
大きな対局での負けが重なり、試練のシーズン前半戦となりました。
勝負どころで痛恨の連敗となった
名人戦/第4局と第5局の間に、王座戦の本戦/1回戦で深浦康市九段に敗れ
17連覇を含む、王座戦の番勝負連続出場記録が「26」でストップすると
王位戦も挑戦者決定戦で豊島将之八段に黒星を喫し、挑戦権獲得成らず。。
名人戦と平行して開幕した
11連覇を目指す棋聖戦5番勝負でも、挑戦者・豊島八段に完敗を喫して
開幕戦黒星スタートと、ストレスの大きな泥沼でもがき苦しみます。。
内容的にも完敗が続き、簡単には出口の見えそうにない
重い空気が今も羽生竜王を包みますが、しかし、明日からの大一番を前にして
先週の土曜日(16日)に行なわれた棋聖戦/第2局でひと月ぶりの勝利を飾り
公式戦連敗を「5」でストップ。何はともあれ、まずはホッと一息。。
豊島八段のうっかりがあったとはいえ
羽生竜王らしい、終始積極的な指し回しで掴んだ大きな大きな白星を
再浮上のきっかけとして、鬼の勝負師は明日からの逆襲へ気合を入れます。
気になる両者の対戦成績は
ここまで19戦して、佐藤名人が11勝8敗とリード。
第6局の先手は、佐藤名人。
シリーズの流れそのままに、一気に3連覇を達成するのか
あるいは羽生竜王がカド番を凌ぎ、決着を最終戦へと持ち越すのか。。
運命の大一番をぜひ、お見逃しなく。。