【 投了図・152手目△3七桂成 】
5連覇を目指す里見香奈倉敷藤花に
伊藤沙恵女流三段が挑戦する、大山康晴名人縁のタイトル
第27期倉敷藤花戦3番勝負。
今月10日(日)に行なわれました
開幕戦を里見倉敷藤花が制して迎えた大一番/第2局が本日
大山名人生誕の地・岡山県は倉敷市「倉敷市芸文館」にて
午後からは公開対局で行われました。
結果は、上図152手までで後手・伊藤女流三段が勝利。
カド番を凌ぎ、決着は同じ会場で明日行なわれます最終戦
第3局までもつれ込みました。
【 下図は4手目△3ニ飛 】
戦型は「相振り飛車」
里見倉敷藤花は「中飛車」、伊藤女流三段は「三間飛車」に
決めていた作戦とばかりにそれぞれノータイムで構えました。
【 下図は37手目△7五歩 】
互いに駒組みの流れの中で飛車を振り直し
「相向かい飛車」となると、伊藤女流三段が上図の局面で
7筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始しました。。
「高美濃囲い」に玉を収めた里見倉敷藤花ですが
1筋の端の位を後手に取られたことが、後々響くことに。。
【 下図は76手目△2五桂 】
ともに敵将の頭上から食いつく形で開戦となると
伊藤女流三段は飛車・角が出番を待つ2筋へ桂馬を跳躍
あらかじめ香車を吊り上げた1筋からの端攻めを目指します。。
【 投了図・152手目△3七桂成 】
この構想が見事に決まり、形勢は大きく後手へ。。
里見倉敷藤花は攻守に懸命の粘りで勝利への執念を燃やしますが
形勢を覆すには至らず、上図の局面をみて無念の投了を告げました。
終局時刻は午後3時21分。
ここ数年、安定して高い勝利率をキープしタイトル戦の常連である
伊藤女流三段は会心の勝利でカド番を凌ぎ、7度目のタイトル挑戦で
悲願の初戴冠へ、逆王手をかけました。
一方、今期は好不調の波が大きい里見倉敷藤花は先手で痛い黒星。
あらためて振り駒に手番の委ねられる決戦の第3局を明日に控えて
揺れ動く流れは極めて速くて深く、全く予断を許しません。。