初防衛を目指す広瀬章人竜王に
豊島将之名人が挑戦する、第32期竜王戦7番勝負。
ここまで2局を消化し、豊島名人が圧巻の2連勝。
早くのシリーズの流れが決まりかねない正念場の第3局が
明日より、兵庫県神戸市「神戸ポートピアホテル」にて
大きな注目の中、開幕の時を迎えます。。
広瀬竜王の今期ここまでの成績は
19戦14勝5敗(.737)。順位戦はA級で3勝1敗。
佳境を迎える王将戦挑戦者決定リーグは4勝1敗の成績で
残り1戦(対藤井聡太七段戦)を残しトップに立ちます。
前期、羽生善治竜王(当時)をフルセットの熱戦の末に下し
実に8年ぶりのタイトル戴冠となる竜王奪取を見事達成した
現在32歳の優駿は初防衛を懸けた豊島名人との頂上決戦へ
満を持して臨みましたが、まさかの連敗スタートに。。
しかし、竜王戦/第2局の敗戦後の公式戦は5戦全勝。
前哨戦となった昨日の石川陽生七段戦こそ薄氷の勝利となるも
糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、羽生善治九段、久保利明九段と
強豪を圧巻の内容で蹴散らし、その実力を存分に示します。。
前期も開幕連敗スタートから番勝負を制しており
また、棋風的にも追い込まれてからの方が勝負強さを発揮する
広瀬竜王にとってはここからが腕のみせどころ、明日から第3局へ
スーパーエリートは静かな闘志を燃やします。
対します、豊島名人の今期ここまでの成績は
41戦28勝13敗(.683)。王将戦挑決リーグは3勝2敗で
逆転優勝へ首の皮一枚つながり、最終戦に必勝を期します。
今期は春の名人戦で佐藤天彦名人(当時)を圧倒。。
開幕4連勝で見事名人奪取に成功、三冠王となりましたが
続く棋聖戦、王位戦は渡辺明三冠、木村一基九段(同)に敗れ
ともに初防衛に失敗、一冠へと後退しました。。
今期は過密スケジュールによる疲労の蓄積もあってか
出来不出来の波の大きさを感じさせる豊島名人ですが、しかし
年内6つのタイトル戦のうち4つに出場と高いレベルで結果を残し
将棋界の天下統一の野望へ向けて、会心の開幕連勝スタートを切った
今回の竜王戦が今後の再加速への鍵となる大事な番勝負であることも
しっかりと自覚する29歳の秀英に、死角は特に見当たりません。。
気になる両者の対戦成績は
ここまで17戦して、豊島名人の9勝8敗と拮抗。
第3局の先手は豊島名人となります。
豊島名人が怒涛の3連勝で竜王奪取に王手をかけるか
あるいは、広瀬竜王が一つ星を返し反撃の狼煙をあげるのか。。
両者のとっての正念場となる第3局をぜひ、お見逃しなく。