【 投了図・96手目△5八馬 】
昨日、沖縄にて決着をみました
注目の大一番、第68期王将戦7番勝負/第4局は
上図96手までで、後手・渡辺明棋王が勝利。
今シリーズの流れそのままに
中盤戦以降はほぼ一方的に、渡辺棋王が主導権を握り
久保王将につけ入る隙を与えない、見事な完勝を飾り
圧巻の4連勝であっさり、王将位奪取を達成しました。
振り飛車党の期待と声援を一身に背負い
懸命に防衛を目指した久保王将にとっては残念な結果に。
しかし、内容的にははっきりと振るわず。。
売物である華麗な捌きも、形勢を損ねてからの強靭な粘りも
最後まで沈黙を続けては、完全復活なった「将棋界の冬将軍」
渡辺棋王に太刀打ちするのは不可能で、必然の結果にも。。
「プロの将棋は研究将棋」と言われて久しいですが
将棋ソフトを駆使しての研究が全盛になった、今となっては
「課題局面までは同意の下で」「この一手が用意の研究」といった
のんきな展開はほぼ望めず、事前研究で遅れを取り先行を許した側が
そのまま一直線に土俵の外まで持っていかれる姿も珍しくありません。
それを踏まえた上でも
百戦錬磨の勝負師・久保王将ががこれほどの大差で敗れた事実は
やはり衝撃的であり、ファンとしてはショックの大きいところ。。
逆に言えば、久保王将を番勝負で完封してみせた
渡辺棋王の構想と研究の質、精度の高さが際立つシリーズとなり
あっさりと二冠に復帰した渡辺棋王はあらためてその実力を示し
再び、天下統一の最前線に躍り出ました。