7連覇を目指す渡辺明棋王に
広瀬章人竜王が挑戦する、第44期棋王戦5番勝負。
将棋界の年度末の風物詩が、明日より
棋王戦の聖地である石川県金沢市「北國新聞会館」にて
開幕の時を迎えます。
渡辺棋王の今期ここまでの成績は
37戦29勝8敗(.784)。順位戦はB級1組で開幕無傷の10連勝中。
虎の子のタイトル・竜王失冠、まさかのA級陥落とダブルパンチで憂き目をみた
不振を極めた前期から心機一転、今期は春先から圧倒的な内容で連勝に連勝を重ね
将棋日本シリーズ優勝、一期でのA級復帰と結果を残し、現在進行中の王将戦でも
開幕2連勝と会心のスタートを切った渡辺棋王は全盛期の輝きを取り戻しました。
火曜日(1/29)に行なわれた叡王戦/準決勝で菅井竜也七段に敗れ
昨年の11月かた重ねてきた公式戦連勝は「15」でストップとなりましたが
誰よりも合理的で抜け目のない渡辺棋王が棋王戦開幕戦にしっかりと照準を合わせ
万全の調整のもと臨んでくるのは火を見るよりも明らかで、将棋界の「冬将軍」に
死角は全く見当たりません。。
対します、広瀬竜王の今期ここまでの成績は
53戦39勝14敗(.736)。順位戦はA級で6勝2敗。
将棋界屈指の終盤力に、正確無比な距離感と速度計算力を武器として
渡辺棋王同様に、今期開幕から充実の内容で白星を量産する広瀬竜王は
フルセットまでもつれ込んだ羽生善治竜王(当時)との激闘を見事制し
竜王奪取を達成、戦国時代を迎えた将棋界の最前線へと躍り出ました。
次に狙うのは、もちろん
「羽生世代」の次の時代の覇者である渡辺棋王を打倒しての二冠達成。
昨日、A級の“ラス前”で名人挑戦権争いから後退する痛恨の黒星を喫した
精神的なショックと疲労はさすがに大きいと思われますが、それでも
品行方正なサラブレッドは、竜王戦でみせた不屈の闘志と勝負根性で
渡辺棋王の牙城を崩すべく、全神経を集中し研ぎ澄まします。。
気になる両者の対戦成績は
ここまで19戦して、広瀬竜王の10勝9敗と拮抗。
独自の深い研究に定評を持つ、両者はともに居飛車党。
現代将棋界が誇る最高峰の戦いをぜひ、ご堪能下さい。