初防衛を目指す菅井竜也王位に
豊島将之棋聖が挑戦する、第59期王位戦7番勝負。
ここまで6局を消化し、ともに譲らず3勝3敗のイーブン。
フルセットまでもつれ込んだ名勝負はいよいよ明日、運命の大一番
最終戦/第7局が、東京都・千代田区「都市センターホテル」にて
開幕の時を迎えます。。
菅井王位の今期ここまでの成績は
20戦10勝10敗(.500)。順位戦はB級1組で1勝4敗。
先に王手をかけて迎えた第6局を中盤までリードするも、終盤で競り負け
手痛い黒星を喫した後、順位戦で行方尚史八段、さらには若手精鋭である
八代弥六段にも敗れ、現在公式戦4連敗中とここに来て調子は下降気味。。
一発勝負となった明日の大一番で、果たして
筋道に入るとトップ棋士でも、着いて行くことが不可能となる
菅井流振り飛車が復活するのか。。
前期、羽生善治王位を見せ場すら与えず圧倒して獲得した
虎の子のタイトル防衛へ、振り飛車党の若き旗頭の真価が問われます。
対します、豊島棋聖の今期ここまでの成績は
36戦23勝13敗(.639)。順位戦はA級で開幕3連勝中。
カド番で迎えた第6局で終盤見事に切り返し、大きな勝利を飾った後
羽生善治竜王、佐藤康光九段と「羽生世代」の英雄と対戦し、1勝1敗。
5度目のタイトル挑戦で悲願の初戴冠となった6月開幕の棋聖戦から
連続挑戦となった王位戦、常にトップ棋士を相手にするA級順位戦と
緊張感をキープしながらの過密日程がずっと続いており、心身ともに
豊島棋聖の疲労はピークに達しているはずですが、次代のエースへの
これもひとつの試練として、明日は無心で勝利のみを追求します。。
ここまでの6局は全て先手が勝利をおさめており
明日の最終戦はまず、あらためて振り駒で決まる手番に
大きな注目が集まります。。
戦型も前6局全てが「対抗形」。
菅井王位が飛車を振り、豊島棋聖が居飛車で迎えつ形で進行しましたが
最後まで番勝負はこの流れを踏襲するのか、あるいはどちらかが動くのか。。
変化するなら豊島棋聖も飛車を振る「相振り飛車」が有力ですが。。
今シリーズは高いレベルでの攻防が展開され
新時代の将棋は菅井王位と豊島棋聖を中心に進化して行くとの予感を
確信に変えるに十分な名勝負となりましたが、果たして最終戦を制し
タイトルを手にするのは、菅井王位か、豊島棋聖か。。
将棋界の今後を占う大一番は、必見であります。