土曜日(14日)に開幕いたしました第3期叡王戦7番勝負。
電王戦シリーズの流れを組む「プロ棋士代表vs将棋ソフト代表」の
二番勝負から心機一転、ガラリと趣きを変えただけでなく、何といきなり
将棋界8つ目のタイトル戦へと昇華し、戦前から大きな話題となりました。。
事実上の初代「叡王」を懸けて争うのは、金井恒太六段と高見泰地六段。
ともに順位戦はCクラス、タイトル戦線ではほぼ無名に等しい伏兵同士による
異色の番勝負というのもある意味で、新しいタイトルの個性を象徴していて
面白く、実に興味深いところであります。
名前は小さくとも、金井六段は決勝トーナメントで
佐藤天彦名人、佐藤康光九段、そして準決勝で行方尚史八段
高見六段は豊島将之八段、渡辺明竜王、準決勝で丸山忠久九段と
それぞれタイトルホルダーを含む超一線級のつわものを連破して
番勝負まで駒を進めており、大会中で掴んだ手応えと自信、充実
勢いは今の将棋界のトップクラスにあるとみて間違いないはず。
事実、開幕戦は両者の気迫と意欲が盤上に強く反映された熱戦で
今後のシリーズへの期待をさらに、大きなものとしました。
開幕戦の舞台は名古屋の中心・名古屋城。
多くの棋士、関係者のご尽力により、大変な盛り上がりをみせ
盛況のうちに開幕戦を終えたことも、新しいタイトルの門出を飾り
パッと春の華やかさにも似た、明るい余韻を残しました。