王将戦/第1局・一日目「強く前へ。。豊島八段が長考の封じ手」
【 一日目終了図・55手目▲2四成銀 】
本日、静岡にて開幕を迎えました
将棋界に新年の訪れを告げる伝統のタイトル戦
第67期王将戦7番勝負/第1局の一日目は
上図55手目の局面まで進行。
長考が1時間21分に達したところで
豊島八段が次の手を封じて、明日の二日目へ
指し掛けとなりました。
【 下図は38手目△3五歩 】
振り飛車党現党首・久保王将に対して
豊島八段の戦型選択が戦前から大いに注目されましたが
後手番の開幕戦で豊島八段は先に飛車を振り「向かい飛車」投入。
それをみて久保王将は「四間飛車」に構えて「相振り飛車」に。。
豊島八段は昨年の12月8日に行なわれました
第76期A級順位戦/7回戦での久保王将戦でも同じ手番で
序盤の駒組みも同じ「相振り」を指し、黒星を喫しましたが
その「前哨戦」からまだ間もない本局で再投入したからには
その後の研究と修正案に相当の自信を持っているはず。
「研究将棋の申し子」豊島八段の趣向を警戒してか
順位戦で勝利をおさめた久保王将は手順を変えて積極的に
仕掛けに入りますが、しかし、豊島八段は動じることなく
上図で機敏に反撃に転じると、そのまま攻勢を強めます。。
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【 一日目終了図・55手目▲2四成銀 】
飛車との交換で先手の守り駒を二枚剥がした豊島八段に対して
手にした飛車を敵陣に打ち込んだ久保王将は堅い「美濃囲い」を前にして
飛車単騎では攻略できず援軍の到着を待たなければならない苦しい展開となり
2筋の桂馬に突き立てられた歩を玉で払わず、成銀をジッと引いて手番を渡す
非常手段で先手の出方を待ちます。。
一方、流れ良く手番を掴んだ豊島八段は
ここが急所と長考に入り、さて下した「封じ手」は何か。。
本線はもちろん△2九歩成で桂馬の捕獲ですが
より辛い手が飛車に取られる金を成銀に当てる△3四金。
ここで▲同成銀なら2五の桂馬が生き、それ以外の手であれば
金で成銀を捕獲出来る味の良い一手で、後手優勢でしょうか。。
いずれにしろ局面は終盤に入っており
「封じ手」からの数手で勝負は決してしまうかも。。
明日は決着の二日目。
豊島八段がこのまま先手玉を仕留め上がるのか。。
あるいは久保王将が渾身の粘りで巻き返すのか。。
正念場の開始直後から目が離せません。