通算１２期目の防衛を目指す渡辺明竜王に
「永世七冠」達成が懸かる羽生善治棋聖が挑戦する
将棋界の「冬の本場所」第３０期竜王戦７番勝負。
開幕戦を羽生棋聖が制して迎える注目の第２局が
明日、岩手県大船渡市「大船渡市民文化会館」にて
その幕を開きます。。
渡辺竜王の今期ここまでの成績は
２１戦９勝１２敗（．４２９）。順位戦はＡ級で２勝３敗。
今期は春先から調子が上がらず黒星先行。
９勝のうち１勝は先崎学九段の体調不良による不戦勝で
なんとここまで連勝が一度もなく、４連敗を一度記録した以外は
文字通り、勝ったり負けたりを交互に繰り返します。
佐藤天彦名人や永瀬拓矢六段、そして今期の豊島将之八段のように
一度勝ちだすと手がつけられず、何ヶ月も連勝が続くタイプではなく
竜王戦で圧倒的な強さを発揮したかと思えば、その前後の対局では
まるで別人のようにあっさり黒星を献上するなど、好不調というより
一局の出来不出来の差が激しく印象がもともとある渡辺竜王。
だからこそ、羽生棋聖との頂上決戦が７年ぶりに実現した
今期竜王戦の開幕戦で覇気なく完敗を喫した姿は衝撃的であり
番勝負の今後に暗雲が立ち込める予感を抱かせました。
事前研究の不備とともに、心の迷い。。
前期の竜王戦開幕直前に自ら引き起こした前代未聞の大失態
三浦弘行九段に対する将棋ソフト冤罪事件の報いと大きな代償が
渡辺竜王を追い詰め、苦しめているのは想像に難くありませんが
このまま罪悪感と大義名分の狭間で押しつぶされてしまうのか。。
谷川浩司九段、羽生棋聖の系譜を受け継ぐ
時代の覇者となるはずだった渡辺竜王は今、棋士としてだけでなく
人生の正念場に立たされ、その存在意義を厳しく問われます。
対します、羽生棋聖の今期ここまでの成績は
３６戦２０勝１６敗（．５５６）。順位戦はＡ級で３勝２敗。
今シリーズに前人未到、空前絶後の大記録
「永世七冠」達成を目指し、期待と声援を一身に浴びる羽生棋聖。
竜王戦開幕前には
王位と王座を連続で失い、実に１３年ぶりに一冠に後退するも
竜王戦/第１局では気迫あふれる指し回しで見事な勝利を飾ると
昨日行なわれたＡ級/５回戦で深浦康市九段を後手番でねじ伏せ
調子は上々、気持ちよく明日から第２局に臨みます。。
気になる両者の対戦成績は
ここまで７０戦して、羽生棋聖が３６勝３４敗と僅かにリード。
取り巻く状況は対照的ながらも、一つのきっかけ、一つの白星で
流れは一変するだけに、明日からの第２局も予断を許しません。。
羽生棋聖が連勝を飾るのか、あるいは
渡辺竜王が星を返し、番勝負を振り出しに戻すのか。。
激戦必至の竜王戦/第２局をどうぞ、お見逃しなく。
