第74期A級順位戦/9回戦「佐藤八段独走にて、名人挑戦者に名乗り」
昨夜、全ての決着をみました
今年の「将棋界の一番長い日」第74期A級順位戦の最終戦
東京・将棋会館にて行われました9回戦・一斉対局。
激戦を制し、最終戦をものにした
新時代の貴公子・佐藤天彦八段が8勝1敗の成績で
見事優勝、名人挑戦権を獲得しました。
【 投了図・134手目△5八桂成 】
一方、残留争いの直接対決
注目の「森内俊之九段-久保利明九段」は
上図134手までで、後手・森内九段が勝利。
終局時刻は午前0時56分。
前期に続いて最終戦まで残留争いに巻き込まれた森内九段ですが
今年も最後の最後で「鬼の森内」と化し、大一番を完勝で飾り
来期のA級残留を自力で決めました。
【 投了図・104手目△5四銀 】
森内九段の因縁のライバルでもある
「羽生世代」の代表格・郷田真隆王将は屋敷伸之九段と
最終戦を戦い上図104手までで、後手番で見事、勝利。
終局時刻は午後11時45分。
最終戦をまさかの最下位で迎えた郷田王将ですが
最後に意地をみせ、順位戦3勝目(6敗)をあげました。
本局終局時点で、まだ対局が続いていた
広瀬章人八段が深浦康市九段に敗れると、郷田王将の
大逆転残留が決まりましたが。。
【 投了図・118手目△6七同桂不成 】
午前0時33分。
広瀬八段は執念の勝利を飾り、残留が決定。
この結果
久保九段、そして郷田王将のA級陥落が決まりました。
A級唯一の振り飛車党・久保九段の降級もショックですが
長らくA級の番人的存在であった「羽生世代」郷田王将の陥落は
時代の流れを感じさせ、感慨とショックもひとしお。。
今年の「将棋界の一番長い日」も
明暗を際立たせつつ、その幕を静かに閉じました。。