本日、東京は有楽町朝日ホールにて行われました
第9回朝日杯将棋オープントーナメントの決勝戦は
「羽生善治名人-森内俊之九段」の黄金カードが実現。
土曜日の将棋界隈が大いに盛り上がりました。。
結果は120手までで、後手・羽生名人が勝利。
永遠のライバルを下し、見事3連覇が達成されました。
戦型は久しぶりにみる「阿久津流急戦矢倉」。
後手が5筋で歩を交換するおなじみの出だしから
森内九段も2筋で歩を交換し、持久戦模様の展開に。。
「阿久津流急戦矢倉」は羽生名人が将棋界史上初となる
開幕3連勝からの4連敗でタイトル奪取に失敗するという
劇的な大逆転負けを喫した、08年の第21期竜王戦の
第6局と第7局で連続採用されたことで知られます。
その時、後手番で連採したのは渡辺明竜王ですが
羽生名人自身も実は「阿久津流急戦矢倉」は十八番の戦型。
本局もそうでしたが
「急戦矢倉」といいながら、必ずしも激しい展開とはならず
持久戦模様の進行となることも多いのが「阿久津流」の特徴で
最近では先手が指せるとみられており、採用率は低下の一途。。
それだけに
決勝の大舞台での採用は、胸が高鳴ると同時に
定跡を思い出すのにしばしの時間を要しました。。
結果は羽生名人の完勝だったと思います。
やはり両者の対局では羽生名人が攻め、森内九段が受けるのが
一番自然な姿、形であり、全く立場が逆になってしまった本局は
森内九段にとっては勝手の違う、実にやりにくい展開に感じました。
しかし、羽生名人の何と滑らかで柔らかで
それでいて鋭く鋭利な指し回しの鮮やかだったことか。。
相当、体調も含めた調子は良さそうで、番勝負でリードを奪った
王将戦の第4局以降にも、期待が高まる一方です。。
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