7連覇を目指す渡辺明棋王に
広瀬章人竜王が挑戦する、第44期棋王戦5番勝負。
ここまで2局を消化し、渡辺棋王が圧巻の2連勝。
タイトル防衛に王手をかけて迎える大一番/第3局が
明日、新潟県は新潟市「新潟グランドホテル」にて
いよいよ運命の幕を開きます。
渡辺棋王の今期ここまでの成績は
45戦39勝6敗(.800)。順位戦はB級1組で無傷の11連勝中。
不振を極めた前期から心機一転、望んだ今期は開幕からエンジン全開。
将棋日本シリーズで優勝を飾ると、順位戦は一期でのA級復帰が決定。
新しい年を迎えるとその勢いはさらに加速し、久保利明王将に挑戦した
王将戦では問答無用の4連勝で奪取に成功、二冠復帰を果たしました。
序盤は相手の意向に耳を傾けつつ、本筋重視で手堅く指し進み
分れの局面で相手が前に出た、その瞬間に狙いすました豪腕一閃
あっという間に大差をつけ、終わってみればいつも完勝をおさめている
見慣れた勝利の方程式は、竜王戦9連覇時代の無敵の強さが重なります。。
棋王戦もここまでは文句なしの内容。
再び天下統一に動き始めた、「羽生世代」の次の時代の絶対王者は
明日の第3局で今期のタイトル戦に決着をつけるべく、したたかに
爪を研ぎ、勝利のみを追求します。。
対します、カド番でもう後のなくなった
広瀬竜王の今期ここまでの成績は60戦42勝18敗(.700)。
順位戦はA級で6勝3敗。豊島将之ニ冠、羽生善治九段に続く
3位で全日程を終了しました。
昨年末には羽生九段のタイトル通算100期を阻止し
フルセットの熱戦の末、見事竜王奪取を成し遂げた広瀬竜王。
くしくも、竜王戦と同じく今回も連敗スタートとなりましたが
年明けからの成績は6勝7敗と黒星が先行、内容的にも精彩を欠き
竜王戦当時と比べて明らかに、調子が下降線の中で迎える大一番は
広瀬竜王の胆力が試される、試練の正念場となりました。。
将棋界屈指の終盤力に
正確無比な距離感と速度計算力を武器とするサラブレッドは
果たしてどのような将棋で意地をみせ、カド番を凌ぐのか
将棋界の今後を占う意味でも大事な戦いとなります。。
対局開始は午前9時。
第3局の先手番を握るのは、広瀬竜王。
戦型は相居飛車が濃厚で「角換わり」が本命か。。
渡辺棋王が王将戦に続くストレート勝利で防衛を決めるのか
広瀬竜王がまずは一つ星を返し、第4局へとつなげるのか。。
将棋界の「年度末の風物詩」が
最初のクライマックスを迎えます。