指導対局とは言っても、将棋には変わりなく
序盤・中盤・終盤を経由して一局の棋譜を残したい。
今泉さんに教えていただけることになってまず
考えたのはそのことです。
序盤は駒組み、中盤は折衝、そして終盤は決着。
まず序盤を通過するには玉を囲うことを考えなくてはならない。
中盤の折衝では駒落ちのハンデを活かして極力、紛れのないように
注意を払わなくてはならない。そして終盤は明快な一本道に。。
手合いは「飛車・香落ち」で定跡は全く勉強せずに
私が用いる作戦は角交換型の「向かい飛車棒銀」。
普段指してる振り飛車をそっくりそのまま応用すれば
まず100パーセント、「美濃囲い」までは駒が組めるのと
普段から上手く使えず重荷になりがちな角をすぐに捌いて
手持ちにすれば、平手戦以上の活用が見込めるはず。。
上手(うわて)は飛車・香のロケット砲がない訳で
攻撃陣がこちらの陣営に届くまでに時間がかかるわけだし
敵陣に角を打ち込むチャンスもこちらの方が多いはず。
序盤はよほどのことがない限り、形にはなると思っていました。
ただ、上手がこの手合いで「穴熊」に囲うことはまずありえないので
上手の囲いも「美濃囲い」を想定して研究と練習を重ねました。
駒が組みあがった後は「棒銀」を中心に
飛車、角、銀、桂で攻めますが、上図は理想形の一つで
「振り飛車の魂」こと左の桂馬が躍動して下手必勝。。
さすがにここまでうまくいくとは思いませんが
夜中に毎日何度も繰り返し指し、イメージをより具体化させ
指と頭に染み込む様につとめました。
ここからは一人の作業。
孤独に符号と格闘しながら、新年の訪れを待ちます。
<第3話へ、続く>