竜王戦/第7局・一日目「丸山九段、熱き攻勢。。封じ手は渡辺竜王」
【 一日目終了図・56手目△8四桂 】
本日、新潟県で行なわれました
第29期竜王戦7番勝負の最終戦/第7局・一日目は
上図56手目の局面で渡辺竜王が次の手を封じて
明日の二日目へ指し掛けとなりました。
戦型は丸山九段の「一手損角換わり」。
囲いもそこそこに積極的に仕掛ける丸山九段に対して
渡辺竜王は玉を固めてから、自然な手を重ね受けに回る。。
同じ手番で行なわれた
前局/第6局でこうなるだろうと思われた展開が
タイトルの懸かった大一番で実現した、一日目の流れに。。
振り駒で決まった手番も一つのアヤとなっており
仮に丸山九段が先手となっていれば「角換わり」ではなく
戦型はもしかすると「横歩取り」になっていたかも。。
本局ここまでの流れは完全に
渡辺竜王のペースで、現局面の形勢も先手が良さ気。
さて、長考の末に封じた渡辺竜王の「封じ手」は何か。。
「封じ手」の直前に「棒銀」を捌いて手にした桂馬を
飛車先に打ち込んだ丸山九段の次なる狙いは△7六歩。
ここで手番が後手なら痛打となりますが、手番は先手。。
渡辺竜王に選択肢があります。
本命は▲6七金直。
この「封じ手」はニコ生解説をつとめた永瀬六段の予想手で
以下、△7六歩~▲6八銀~△9七香成~▲同玉~△9二飛に
▲8八玉~△9七角~▲8九玉~△9八歩の進行が示されました。
この進行では△9八歩に▲8三角が決まって先手良しとのこと。
他に考えられるのは自らの飛車先を合わせる▲2四歩や
金を上げるのではなく逆に引く▲6九金などもありそうですが
本筋重視の受け将棋が持ち味の渡辺竜王の棋風にもっとも
しっくりとくるのは、やはり▲6七金直に思います。
いずれにしても
丸山九段は攻め続けて形勢を引き寄せるしかなく
いよいよ番勝負に決着がつく明日の二日目も、開始直後から
激しい攻防となりそうです。。